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第質拾壱斬、約束だから ページ37

あ「高杉…」

夜も大分更けた深夜2時
草木も眠るその時間に、俺は部屋から出た

甲板に行くと、口をかたく結んだ高杉
もう、寝てるんじゃないかと思ったのに


高「…ほんとに、行くんだな」
あ「うん……絶対、戻ってくるから」
高「…あァ。せいぜいくたばんなよ」
あ「クク、あたんまえ」


俺は、高杉に向かって笑った

対する高杉も笑ってくれた


あ「珍しいな、高杉が笑うとか」
高「弟子の旅立ちだぜ?たまにゃいいだろ」
あ「そーだな」


しばらくの沈黙
始めは沈黙が怖かったりもしたけれど

今ではこの沈黙さえ、心地よかったり


さっきは勢いで出ていく、なんていったけれど
ココを出ると改めて思うと、
ちょっと寂しいかな、なんて


あ「……じゃあ、俺もう行くから」
高「あァ」

これ以上いたら、また甘えてしまいそうで

名残惜しいのを気のせいだと言い聞かせ、
高杉に背を向けた

振り返るとき、
高杉が笑っているのが横目に見えた
なんだよ、さっきはあんなに止めたくせに

…なんて、思った俺が甘かったんだ




あ「…え」
高「誰が”行っていい”と言ったンだァ?」

心臓付近に突き刺さった銀色の刀
月明りで銀色をさらに輝かせるソレは、
赤く、紅く、染まっていた

刀を引き抜かれ、力が入らない俺の体は、
その場に倒れこむ





揺れる視界の中、俺は地面を這う
後ろから、高杉の殺気が突き刺さる

逃げなきゃ、早く……



高「……絶対、戻ってこいよ」
あ「は………?」
高「あと、10秒で行け。でないと、斬る」
あ「っ、…ありがと。約束、だから」

最後の力を使って、俺は船から降りた
振り返らず、前だけを向いて






あ「ハァ、…っ、いってぇ……」

江戸の外れの小さな町に辿り着いた
血が出すぎて、立っていられない
応急処置だけはしたけど、
本当に死ぬんじゃねーの?って思う

あ「はぁ…休憩」

俺は路地裏で丸くなり、眠りについた

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ドSの極み(プロフ) - 更新楽しみにしてま~す。 (2015年1月7日 23時) (レス) id: 9c2471414b (このIDを非表示/違反報告)
ドSの極み(プロフ) - 空音架恋@演劇部さん» 頑張ってください!私この小説大好きなんですよ!応援してます! (2014年12月9日 13時) (レス) id: 9c2471414b (このIDを非表示/違反報告)
空音架恋@演劇部(プロフ) - ドSの極みさん» 受験終わったし、高校にも慣れたんで前ほどはいかずとも更新頑張ります! (2014年12月8日 23時) (レス) id: de4c87a60a (このIDを非表示/違反報告)
ドSの極み(プロフ) - 空音架恋@演劇部さん» わかります。私も受験の時、占ツクで書いてたわけではなかったけど、そんなことありました (2014年12月8日 21時) (レス) id: 9c2471414b (このIDを非表示/違反報告)
空音架恋@演劇部(プロフ) - ドSの極みさん» 去年受験だったんで終わったらやろうと思い続けて気付けば今年も終わり……ってかんじでした (2014年12月8日 19時) (レス) id: de4c87a60a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:auto(おーと) | 作成日時:2014年2月28日 12時

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