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第陸拾陸斬、先生の気持ちが ページ30

高「…先生が、捕まったんだ」

ぽつりぽつり、話し始める高杉
昔のことを、少しずつ

高「寛政の大獄って、知ってるか」
あ「かんせい?…聞いたことはあるけど」
高「そン時、先生が捕まってよ。
それをキッカケに、
俺たちは攘夷戦争に参加したんだ」

日々激しくなる戦い
あちこちで上がる戦火

高「酷かったぜ、あの時は」

クッ、と喉を鳴らす高杉
その笑みは、悲しみを帯びていた

高「そン時、向こう側に捕まった」

そして、敵は銀時にこう言ったという
高「"仲間を斬るか、師を斬るか"」

そして、銀時は決意した
高「あいつは、俺たちを助けた」

理由は知らねえ、と高杉は言った


高「…自由の身になって、先生の首見て……
俺ァ何を今までやってきたんだって思ってな」

ぐっと高杉の拳に力が入る
月明かりに照らされた瞳は、憂いを帯びていた

あ「た、かすぎ…」
高「まァ、その後手前ェに会って、仲間(ここの奴ら)にも…
つくづく、感謝してるぜ?特にお前は」

高杉の骨ばった細い指が俺の髪を梳く
手つきは相変わらず優しくて、落ち着いた

あ「なんで、俺なの?」
高「こんな俺を慕ってくれてよォ、
師匠やら親父やら勝手に呼びやがって」

先生の気持ちが、少しわかった気がしたんだ


あ「松陽さん、の?」
高「あァ。どんなに人を傷つけていても、
どんな所で育ってきても、
俺の、大事なモンに変わりはねェんだなって」

と、そこまで言った所で、
高杉は俺の頭をチョップした

高「……何こっぱずかしいコト言わせんだ」
あ「知らねえよ!勝手に高杉が…!!」
高「ッチ……あぁー、もう……寝ろクソガキ」
あ「はいはい寝ますよ暴力男!!」

フイ、と俺に背を向けたこいつの耳は
わずかな光でも分かるくらい赤くなっていた

第陸拾質斬、朝の一コマ→←第陸拾伍斬、一粒の



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ドSの極み(プロフ) - 更新楽しみにしてま~す。 (2015年1月7日 23時) (レス) id: 9c2471414b (このIDを非表示/違反報告)
ドSの極み(プロフ) - 空音架恋@演劇部さん» 頑張ってください!私この小説大好きなんですよ!応援してます! (2014年12月9日 13時) (レス) id: 9c2471414b (このIDを非表示/違反報告)
空音架恋@演劇部(プロフ) - ドSの極みさん» 受験終わったし、高校にも慣れたんで前ほどはいかずとも更新頑張ります! (2014年12月8日 23時) (レス) id: de4c87a60a (このIDを非表示/違反報告)
ドSの極み(プロフ) - 空音架恋@演劇部さん» わかります。私も受験の時、占ツクで書いてたわけではなかったけど、そんなことありました (2014年12月8日 21時) (レス) id: 9c2471414b (このIDを非表示/違反報告)
空音架恋@演劇部(プロフ) - ドSの極みさん» 去年受験だったんで終わったらやろうと思い続けて気付けば今年も終わり……ってかんじでした (2014年12月8日 19時) (レス) id: de4c87a60a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:auto(おーと) | 作成日時:2014年2月28日 12時

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