看病できるのは… ページ43
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土方さんが家を出て行くと、私は総悟が休んでいる寝室へと静かに向かった。
音を立てないようにそーっと扉を開け、静かに歩いてベッドのそばへ近寄ると、彼は静かに寝息を立てて休んでいた。
『あー…これのこと…。』
先程土方さんから指摘されたブツは、左側のベッドデスクにむき出しになって置いてあった。
これはもう自らが疑ってくださいと言っているようなものである。
私はベッドデスクの引き出しにそれをしまうと、引き出しの中から何か紙切れが出てきた______
『何これ…すごいぐしゃぐしゃなんだけど』
ぐしゃっと丸められていた紙を広げ、中の文字を見てみると、インクが滲んで読むことはできなかったが、総悟に向けての手紙なのだろうと悟った。
『まぁ…いっか、戻さないと』
元の場所へと紙切れを戻し、引き出しをしまうと、物音に反応したのか総悟の閉じていた目が少し空いているように見えた。
「ん、A…運んでくれたのかィ、」
『ううん。土方さんが送り届けてくれたの、具合はどう?』
体調を聞くと、顔をしかめて首を振った。聞けば、頭が痛いらしく、熱も少しあるそうで…
『最近部活頑張っていたもんね、待ってて!今何か食べれるもの作ってくる…!』
「すまねェ…、Aに何から何までやらせちまって」
『ううん、総悟が早く元気になってくれないと私も元気が出ないからね!』
それに、弱っている総悟を看病できるのは私だけ…という事実に不謹慎だが少し嬉しくなってしまった。
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内藤。 - いつもドキドキしながら見てます!最高です! (2021年7月15日 23時) (レス) id: c44f8901d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お砂糖 | 作成日時:2021年3月2日 0時