お誘い ページ33
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結局、あのあと総悟に1人でお風呂に入らせることに成功した私はのんびりと夕食の準備をして待っていた。
最初は学校から帰ってきて2人分の食事を用意することなんて容易ではなかったが、数ヶ月が経った今はなんとか慣れてくるようになった。
『こんな感じかな…』
「お、今日はシチューですかィ?美味そうだな」
『うん。お風呂早かったね、ちゃんと温まった?』
鍋と向き合っていた形から後ろに立っている総悟の方へと振り返ると、その隙を待っていたかのように、後ろを振り返った私の腕を軽く引き、彼の胸へとスッポリ収まった。
「こうしてれば俺も、Aもあったかいからちょうどいいんでィ」
『ふふ、確かにあったかいかも』
彼の短い髪から滴る水滴が私の頬へと垂れてくると、総悟はそれを拭き取るかのように頬に唇を這わせる。
『ん、くすぐったい…』
「濡れてるのが悪いんでィ」
『だって、総悟がちゃんと髪乾かしていないから!』
胸へとスッポリ収まっていた私は総悟の顔を見上げ、2人の視線が交わると、彼はニヤリと怪しい笑みを浮かべた。
「だったらもっと濡らしてやろうかィ、ココじゃなくて」
総悟は私の頬を人差し指でツンツンと触り、私に反応を見てニヤニヤと楽しんでいる。
私も疎い方ではないから、総悟が何を言いたいのか、何をしようとしているかなんて分かっている。分かっているけど…
私たち“兄妹”が一線を超えてしまうということに引っかかってしまい、次へと進めずにいたのだ______
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内藤。 - いつもドキドキしながら見てます!最高です! (2021年7月15日 23時) (レス) id: c44f8901d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お砂糖 | 作成日時:2021年3月2日 0時