幼馴染が最低な男にとられた 2 (ページ6)

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ryuto

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夏休みに入っても
何も変わらなかった。

たまーに
ガリさんから誘われたり
女の子に誘われたら家をでるだけ

ちょくちょく
窓を開けていたら
Aと涼さんが一緒にいるところを
見たくらい。

こんなにもAと
言葉を交わさなかったのははじめてだ。

喧嘩なんてしたことなかったし
する必要なんてなかったし。

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今日もガリさんに誘われて
ファミレスで一日宿題をやった帰りだった。

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駅前で見つけたAの後ろ姿。
こういう時は気づかないふりをしてた。

でも、今日は。

Aの視線の先に見えた
涼さんと、お祭りで見た女の人。

そこから目を背けるように
こちらを向いたA

バッチリとあった目に溜まった涙

「っ、A」

そういった時に
Aが伸ばした手を

きゅ

と握り返す。

『っ…龍斗。』

「っ、うち。くる？」

そういったら

何も言わずに
コクリと頷いたから

そのまま繋いだ手を離さずに
家に向かう

「今日、母さんもでかけてるから」

『ん、ありがと』

ポンポンと

頭を撫でれば

今まで抑えてたのか
わんわん泣きだすから

「あーーー、もう、ごめんって

ね、もうすぐだから。
家でいっぱい泣こ」

『っ、うん』

俯いてタオルで目元を拭うAが
転ばないように

もう一度手を繋げば
その手をきゅっとAが握り返したから。

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