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センラ「Aはずーっと俺のもんやろ」

A「ええ?」


あの甘ったるい雰囲気はどこへ行ったのか、ころっと強気に変わった声色が彼の本気を感じさせる。
『困惑』
きっとこの感情はそう呼ぶのだろう。


センラ「子どもん時からずーっと変わらん、俺のそばで、俺がおらな探して、俺と会ったら笑って、どう考えても俺のことばっかり見とる」

A「はあ、」

センラ「そんなAがいつ俺から離れられるんやろうって」


ほんま困ったもんやわぁ、とゆっくり続けて繋がれた手を撫でる。
その雰囲気に圧倒されて何も返せなくなるのはどうしたものか。
彼の言うことはいつも的を得ている。
じわじわと気づきそうになる感覚はとりあえず今は名前をつけたくない。


A「誰がそうさせたんだか、、」

センラ「んふ、そりゃあなぁ」

A「何が目的かはわかりませんけど」


そう言って今度は自分の方から右肩に感じる重みに顔を近づける。


A「っ、、」


思ったより近かったその距離にドクンと胸が鳴った。
おそらく、そのしたり顔でほんのりと浮かぶ笑みも相乗していると思う。
ずっと近くにあったから、気づかなかったけれど、いつの間にか仕掛けられていた罠のようなもの。


センラ「こーんな可愛い幼馴染放っておかれへん」

A「、、、出た」

センラ「ほんまのことやでぇ?」


酔った彼はいつも言う。
その『かわいい』という単語はきっと庇護欲的な、妹的な、そんなものを意味しているんだろう。
だって、普段は言われない。
きっと明日の朝、彼が私を見て言うであろう言葉はわかっている。

「夜遅くに一人で来たん?あほちゃう?」

まるでこの甘ったるい雰囲気が嘘のように少し笑いながら言うと思う。
愛称のように彼から言われる『あほ』は聞きなじみがあってすごく楽だ。
だからこそ『かわいい』なんて言葉は、むずがゆくて 戸惑う 。


センラ「信じてくれへんなぁ、そんな信用ないんかぁ?」

A「そういうわけじゃないけど、、」

センラ「こーんなかっこいい幼馴染が言うてんよ?」

A「たしかにそうですねぇ」


相変わらずのナルシストぶりは軽めにあしらっておく。
そうすれば「まーた信じてくれん」なんて拗ねたふりをするのも分かっている。

このナルシストたらし幼馴染は、こう言うけど実際は自分のために努力を怠らないことを知ってる。
自信は努力の結果なんだと彼を見て思う時がある。
そして、時にはコンプレックスの裏返しだということも。

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設定タグ:歌い手 , USSS , 幼なじみ   
作品ジャンル:恋愛
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飴玉(プロフ) - 続き気になります!応援してます! (2019年12月7日 0時) (レス) id: 8c5a0e2b14 (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - 、さん» 設定を誤っておりました。申し訳ございません。修正しました、ご指摘ありがとうございます。 (2019年11月30日 21時) (レス) id: 4b7f932ad4 (このIDを非表示/違反報告)
- オリジナルフラグというものをちゃんと外して下さい (2019年11月30日 21時) (レス) id: da04285dd4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のの | 作成日時:2019年11月30日 20時

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