冷たい理由があるらしい * skt ページ27
A「あれ、来てたの?」
坂田「まあ、ご飯作るんめんどかったし、」
A「またそうやって〜」
少し呆れた声色を出しながらも、さっき買ってきたスーパーの袋には二人分の夕飯の材料が入ってるのだから私もなかなかだと思う。
A「今日は野菜炒めだよ。」
坂田「野菜なん、、」
A「文句は受け付けません〜」
坂田「まあええけど。」
私が帰ってきた冒頭から、彼はソファーの上でスマホに目を向け続けている。
いつものことだから慣れたものだけど。
坂田くんとは所謂幼馴染みという関係で、家族ぐるみで仲がいいほど。
そして年齢は私の3つ上。
私は大学入学と同時に上京して、まだその頃地元にいた彼は歌い手活動?とかでよく東京に来ていて、ホテル替わりにと私の家に泊まることが多かった。
詳しくは分からないけれど、その歌い手としての活動が軌道に乗ったこともあって、坂田くんも上京してきた、、、というのに未だに頻繁に私の家に現れる。
A「そろそろできるから準備して〜」
返事はないけれど、カチャカチャと音が聞こえるのでお箸や食器を準備してくれているんだと分かる。
あまりに頻繁になっているから当たり前になっているこのやり取り。
だけど、決して付き合ってるとかではない。
坂田「いただきます。」
A「どーぞ。」
なんだかんだ、坂田くんがご飯を食べてる姿を見るのは好き。
嬉しそうなのが伝わってくるから。
A「おいしい?」
坂田「……まあまあやな。」
そう言って、ふっと笑う彼。
いつも通りの返し。
分かってるよ、その笑い方はご機嫌な時。
初めて坂田くんのライブに行きたいと言った時、すごく嫌がられたのだけど、私がしつこくお願いしたら呆れながら招待してくれた。
そこで見た坂田くんは私が知ってる坂田くんではなくて、とてもにこにこでふわふわで、癒し系と言われる雰囲気だった。
その姿とは対照的に、私の前では無愛想で少し俺様気質で…そんな彼しか知らなかったから私はそれはそれは驚いてしまった。
その新しい姿も魅力的に思ってしまって、あの後も何度かライブに行かせて貰っている。
幼なじみの前では冷たい彼には
何かしらの理由があるらしい。
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飴玉(プロフ) - 続き気になります!応援してます! (2019年12月7日 0時) (レス) id: 8c5a0e2b14 (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - 、さん» 設定を誤っておりました。申し訳ございません。修正しました、ご指摘ありがとうございます。 (2019年11月30日 21時) (レス) id: 4b7f932ad4 (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグというものをちゃんと外して下さい (2019年11月30日 21時) (レス) id: da04285dd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のの | 作成日時:2019年11月30日 20時