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志麻くんはどうしてか最後まで納得いかない顔をしていたけど、結局うらたさんと二人、タクシーに乗り込んだ。
おそらく、うらたさんは私の気持ちを汲んでくれたんだと思う。
A「ありがとう、ございます、、」
うらた「おう、感謝しろよ。」
スマホを見つめながらそう答えて、小さく笑ううらたさん。
いつも話すたびに思うのは、お兄ちゃんみたいなそういう頼りがいがある人だな、ということ。
志麻くんとはまた違うけど、甘えてしまっている存在。
A「志麻くん、彼女できたって、」
うらた「…へえ、」
A「次はナース。」
やっぱり髪型はショートなのかな、なんて思いながら、最近伸ばし始めて肩くらいの長さになった自分の髪をなでる。
A「おめでとう、って、また言えませんでした。」
へへ、とわざとらしい作り笑いをすると、横から目線を感じた。
うらた「無理して笑うなって。」
A「でも、」
うらた「いいから。」
目線を感じる方を向けば、しっかりと合った目。
笑っているわけでもないのに、その目はとても優しくて暖かくて。
頭をなでられてしまえば、もう抑えることはできなかった。
うらた「ここで大丈夫です。」
タイミングよく着いた私の家。
お金を出そうとした手は止められて、うらたさんが支払いを済ませてタクシーを送り出してしまった。
うらた「寄っていい?」
A「むしろ、大丈夫ですか?時間、、」
うらた「明日遅いし余裕。」
A「それなら、、」
唯一、こんな私の気持ちを知っていて、否定もせず見守ってくれる人。
今日はちょっと一人になるのが怖くて、全部全部言ってしまおう。
きっとこの人なら受け止めてくれるはず、なんて。
うらた「おじゃましまーす。」
A「どうぞ、」
だいぶ酔いの覚めた頭では、色々な感情が行き交ってしまう。
二つのグラスにお茶を注いで、テーブルの上へ。
何度か訪れている私の家で慣れたようにソファーに座るうらたさんの隣へ、導かれるように私も座った。
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飴玉(プロフ) - 続き気になります!応援してます! (2019年12月7日 0時) (レス) id: 8c5a0e2b14 (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - 、さん» 設定を誤っておりました。申し訳ございません。修正しました、ご指摘ありがとうございます。 (2019年11月30日 21時) (レス) id: 4b7f932ad4 (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグというものをちゃんと外して下さい (2019年11月30日 21時) (レス) id: da04285dd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のの | 作成日時:2019年11月30日 20時