第百七話 社の魂 no-side ページ32
「会えてとても嬉しいよ、プレジデントフクナ……フクダ……?」
「福沢」
社長室は地獄のやうな空気だ。
「それだ。ところで、ヘリを道路に停めさせたが、まずかったかね?」
「外國の方が遠路遥遥ご苦労でしたな。して要件は?」
そこにナオミが茶を出す。
「ほう、珍しいデザインだ。陶磁器には詳しいつもりだったが、どこのブランドかなぁ?ロイヤルブラン?あるいはエルゼルガか……」
ナオミは腹立たしそうに
「隣の下村陶器店です」
と云う。
成金は嫌いだ。
「それは失礼」
飲み終わったカップを側近の人に渡す。
「俺のことはフランシスと呼んでくれ、オールドスポート。北米本国で
「フランシス殿、貴君は懸賞金でポートマフィアを唆し、我々を襲撃させたとの報告があるが……誠か?」
「あぁ、あれは過ちだったよ、真坂この国の非合法組織があれほど役立たずとは。謝罪に、いい商談を持ってきた。」
探偵社以外の人間が見たら卒倒しそうな怖い顔の福沢。
「この会社は悪くない、街並みも美しいしな」
「そこでだ、この会社を買いたい」
大量の札束の入ったケースを開ける。
「勘違いするな、俺はここから見える土地と会社全てを買うことが出来る。この社屋にも社員にも興味はない、あるのはひとつ」
「まさか……」
「そうだ……
「「!!」」
「この国で異能力者集団が合法的に活動するには内務省異能特務課が発行した異能開業許可証が必要だ。特務課の石頭共だけは金で買収できない何しろ表向きはないことになっている秘密組織だ。連中を敵に回さず、大手を振って捜し物をするには、その許可証が」
「断る」
「なんだ、これでは足りんか。それでは、これも付けよう。」
札束の上に自らの腕時計を置く。
フランシスは高価なものだと説明した。
「命が金で買えぬように、許可証と変えられるものなど、存在せぬ。
あれは社の魂だ。特務課の期待、許可証発行に尽力して頂いた夏目先生の想いが込められている」
その瞬間、ナオミが薙刀を構えた。
「頭に札束の詰まった成金が触っていいものではありませんわ」
福沢すら混乱の顔色を見せる。
その時蝶が舞った。
『__異能力_半七捕物帳_白蝶怪__』
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死神参謀凶華(プロフ) - 神楽さん» ありがとうございます!!続編絶賛考えてます! フォローありがとうございます!! (2018年10月14日 10時) (レス) id: 49037b932f (このIDを非表示/違反報告)
神楽(プロフ) - 続編ですか!おめでとうございます!楽しみに待ってます!P.S.Twitterフォローしました (2018年10月14日 10時) (レス) id: 7244bac494 (このIDを非表示/違反報告)
死神参謀凶華(プロフ) - りとさん» ありがとうございます!頑張ります! (2018年10月6日 17時) (レス) id: 49037b932f (このIDを非表示/違反報告)
死神参謀凶華(プロフ) - 紅月さん» 中也さぁぁぁん←変換欄を殺して頑張った続編をお楽しみあれ…… (2018年10月6日 17時) (レス) id: 49037b932f (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも楽しいお話を待ってます! (2018年10月6日 17時) (レス) id: 892238b735 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凶華 | 作成日時:2018年10月6日 17時