第九十五話 羅生門と虎 no-side ページ18
「船が沈む前に、彼女を国木田さんのところへ連れていかないと……」
芥川に背を向け歩き出した
その時羅生門が胸を貫く。
「何故だ!なぜ貴様なのだ!」
憎悪をいっぱい孕んだ声でそう言うと
羅生門が拳のように敦に追い打ちをかける
「貴様の異能は所詮身につけて幾許もない付け焼き刃、欠缺ばかりで見通しも甘い……だのに、なぜ貴様なのだ!」
まただ。と敦は思う。
敦への憎しみ、凄まじい憎悪の正体。
「__言わせぬ……あの人にあの様な言葉、2度と言わせぬ!」
凄まじい憎悪と共に羅生門が敦の体を持上げる。
「羅生門、彼岸桜!!」
串刺しになった敦。
血みどろの敦はそのまま甲板に落ちる。
倒れたままの敦に背を向けた芥川。
「どうして……」
敦が動いた途端、完全に入った、もう動かない
と思っていた芥川も流石に驚いた。
「お前はそんなに強いのに、どうして彼女を利用したんだ……」
「利用したのではない、夜叉白雪は殺戮の異能力、他者を殺す時のみ、鏡花は意味を得る。人を殺さねば無価値……僕は鏡花に価値を与えただけだ、生きる価値を」
「それだ……」
敦はゆっくり起き上がる。
「誰かに生きる価値があるかどうかを、お前が決めるな!」
芥川は露骨に不服そうにし、敦の胸に羅生門を刺した。
しかし敦は羅生門を掴む。
「どうして彼女に違う言葉をかけてやれなかったんだ、
人は誰かに『生きていていいよ』と云われなくちゃ生きていけないんだ!」
芥川を羅生門ごと引張り、飛び上がって構える。
「そんな簡単な事がどうして判らないんだ!」
その開いた腹に羅生門が突っ込むが、
虎の爪が羅生門を切り裂き、傷は治癒される。
敦は打撃を入れようとしたが、
芥川は寸前で羅生門を使って空中へ。
「羅生門、早蕨!」
羅生門が甲板から敦に襲った。
また敦は串刺しだ。
そして己の高さまで敦を上げる。
でも敦は諦めない
それを踏み台に芥川へ飛びかかるが、
「羅生門、獄門顎!!」
敦を噛んだと思って一瞬ほっとした芥川。
しかし自らに虎の尾が巻き付き、敦から逃げられない。
打撃がくる、と空間断絶を使うが、
それも破られ、芥川は海に落ちた。
その後力尽きた敦を鏡花が国木田の元まで運び、
爆風に押されたところを国木田が回収した。
「この大馬鹿野郎が……よくやったぞ。」
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死神参謀凶華(プロフ) - 神楽さん» ありがとうございます!!続編絶賛考えてます! フォローありがとうございます!! (2018年10月14日 10時) (レス) id: 49037b932f (このIDを非表示/違反報告)
神楽(プロフ) - 続編ですか!おめでとうございます!楽しみに待ってます!P.S.Twitterフォローしました (2018年10月14日 10時) (レス) id: 7244bac494 (このIDを非表示/違反報告)
死神参謀凶華(プロフ) - りとさん» ありがとうございます!頑張ります! (2018年10月6日 17時) (レス) id: 49037b932f (このIDを非表示/違反報告)
死神参謀凶華(プロフ) - 紅月さん» 中也さぁぁぁん←変換欄を殺して頑張った続編をお楽しみあれ…… (2018年10月6日 17時) (レス) id: 49037b932f (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも楽しいお話を待ってます! (2018年10月6日 17時) (レス) id: 892238b735 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凶華 | 作成日時:2018年10月6日 17時