割と普通の女の子だって万能の異能力者だったりするようだ。 (ページ10)

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第四十九話芥川、襲来 no-side ページ10

「僕を探偵社で保護してください！期限は検察取調べを終え、取引による証人保護が成立するまでの72時間」

「どういう事だ？」

「僕は唆されただけなんです！」

「新興の臓器密売組織とやらにうまい話がある、絶対にバレないからと……なのに」

「黒幕がいるのか…そいつらの居場所は？」

「分かりません……ただ取引はいつも港湾中央ビルで……」

「あそこか……」

「……それで？保護してほしい理由は？」

「実は誘拐した者の中にポートマフィアの関係者がいたらしいのです」

「そりゃあまずい」

その時車体に衝撃が走り、窓ガラスが割れ

銃撃の音が響く。

「ポートマフィアの連中か……」

「助けてくれ！死にたくない!!!」

「おい待て！」

「国木田さん！携帯が繋がりません…！」

「妨害電波だね……」

「運転手を失えば、真相は闇の中だ…太宰は運転手を追え、小僧は警察に救援を要請、俺がヤツらを引きつける」

「「了解！」」

国木田さんは手帳に万年筆を走らせた。

「行くぞ！異能力、“独歩銀客”閃光榴弾

今だ！」

光と共に爆撃の音があたりに響く。

その時、黒い刃がタクシーを真っ二つにした。

国木田はなんとか黒い刃をかわす。

「金属は脆い。人心も脆い。貴様らはどうだ……武装探偵社」

「貴様……ポートマフィアの芥川！」

迫る羅生門を国木田は紙一重でかわすが、

撃った銃弾は芥川には全く中らず外れ、

床に叩きつけられた。

国木田と芥川は近距離で羅生門と銃を向け合う

「中らぬのなら、空間を喰らうまでもない」

「人を殺める趣味はないのでな」

「弱者の戯言か」

すると、芥川の後ろの水道管から音がする。

出鱈目に撃ったように見せた銃弾は

建物側面にある水道管に全部中っている。

そこから出た水は、芥川をずぶ濡れにさせた。

「独歩吟客！スタンガン！」

「！？」

国木田の大事な手帳の頁がスタンガンに変化し、国木田が電源を入れて水に投下する。

「縄につけ、禍狗」

芥川の足元の水から感電し、その電気は芥川をしばらく襲う。

「ぬあぁっ・・・ッ！」

飛び退き、膝を着く芥川。

「くふふ、武装探偵社は幇間の集いに非ず、か。流石は太宰さんの隠れ蓑・・・。」

その時、パトカーのサイレンが聞こえる。

「邪魔が入ったか・・・まあいい。いずれまた刃を交えることもあろう・・・。続きはいずれ」