割と普通の女の子だって万能の異能力者だったりするようだ。 (ページ7)

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第四十六話国木田の失敗敦side ページ7

「そうだ、ここには私の他にも誘拐された方がいる筈です……水槽で溺れかける前に確かに声を聞きました……」

「何！？」

3人でいろんな部屋を開けて回る

「国木田さん！いました、ここです！」

僕が開けた部屋に国木田さんが駆け込む。

ガラスの壁の向こうには誘拐された人が

何故か下着姿で捕まっていた。

何か言っているが、よく聞こえない。

「大丈夫か！」

国木田さんが駆け寄る。

その時何かが噴射される。

「下がれ敦くん!!ガスだ！国木田くんも!!」

太宰さんが呼びかけても国木田さんは下がらない

「おい！しっかりしろ！おい！」

太宰さんが国木田さんをガラスから遠ざけようとする。

しかし下がらない。

「……！」

僕はAさんがその中にいないことに気がついた

「離れろ国木田くん！」

「離せ太宰！」

人はこのようなことで
死んではならんのだ!

「離せ！離せぇぇえ!!」

ヨコハマ失踪事件の被害者
民間の探偵社が独断で踏み込んだ為死亡

次の日の朝刊の一面を国木田さんが飾った

「これが敵の狙いだったのか…」

「探偵社を陥れることが目的だったってことですか？」

「……太宰の言うように俺の出番ではなかったのかもな……岡本も……ｯ」

「国木田さん……？」

「……佐々城女史は？」

「医務室に居るはずですが」

医務室に入ると何やら楽しげな声が聞こえる。

「……!先日は本当にありがとうございました」

佐々城女史がにこりと微笑む。

「あの時助けて頂かなければ、私の命はございませんでした」

「いえ」

「そればかりか、昨晩はご邸宅にお泊め頂きまして」

「え」

「どこに泊まったんですか？」

すると、佐々城女史が少し頬を赤らめ、隣を見る

……え？

「ウチ」

太宰さんが自分を指さして言う。

え……

「太宰様、その……大変お世話になりまして」

「だってさ」

ええええええええええええぇ……

「そういうのありなの……探偵って」

「やっぱり佐々城さんは犯人の顔は全く見てないようだ。日頃から貧血でよく倒れるらしいんだけど、事件の日に気を失ったのもそれが原因だね。
その後、どうやって誘拐されたのか……」

「お前はああいう女性が好みか」

「私は女性はみんな好きだよ？でも佐々城さんは頼んだら一緒に心中してくれそうでいいなぁ」

「国木田くんこそどうなの？ああいうタイプ」

あ、それ僕も気になる……