番外(?)台風の日に no-side ページ44
「岡本、大丈夫か?」
『何がです?』
静かな探偵社に国木田と岡本の声が響く
「台風……帰れなくなるぞ、そろそろ」
『……乱歩に怒られる』
ガタガタ、とガラス窓が悲鳴をあげる中
残業に残った人が2人。
仕事の鬼国木田と
半七捕物帳“
『国木田さん、書類の山(太宰の)はあとどのくらいですか』
「30枚……」
『グハッ!!』
夏の終わり。
台風が恐ろしいほど来るこの季節に
太宰の莫迦は
「台風!?自 殺日和だ!国木田くん書類頼んだ!!」
とかいって
探偵社を出ていった
オマケに社長が出張でいない。
2人は胃に穴があくことを覚悟した
今日は夜頃から台風が接近し始める予想で
帰れるかどうかすら怪しかった
それから3時間。
5000枚以上に及ぶ書類
を岡本の協力の元5時間で終わらせた国木田は
ふらふらと社を出ていく。
岡本は残って施錠と掃除をして外へ出る。
既に外は暗く
風は岡本のハンチング帽を飛ばしそうになる。
『帰れるかな…』
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「遅いぃぃぃぃぃぃぃぃい!!」
『ご、ごめんなさ……』
稀代の名探偵がお怒りだ。
当然だ
もう福沢家の夕食の時間は過ぎている。
「おなか空いたし!てかなんでビシャビシャなの!?」
そう言ってタオルで橙色の髪をぐわんぐわん拭く。
正直言って痛い、とか言えない
風に煽られないように傘を差さなかった。
『痛っ、あ、ご飯……今作る……何がいい?』
「んー、肉じゃが!」
親のいない時の兄弟ってこんなだろうか。
『ご飯の間に風呂入ってきてね』
お母さんみたいだけど
福沢家は大概
みたいな感じだ。
ちょうど乱歩が
風呂に入っていた頃
ヨコハマにいよいよ台風が接近し始める。
本格的に風で窓や戸、
たまに建物そもそもが揺れ始める
『雨戸閉めなきゃ』
ぱたぱたと廊下を急ぐ。
Aはどうしても
“諭吉がいたら今頃バッチリ雨戸閉まってる”
とか
“諭吉がいたら今頃味見してくれてる”
とかを考えて寂しくなる。
結局お父さんと娘息子な訳だ。
『…………さみしい……』
まだ水の滴る髪の毛が
幼げにぴょんぴょんはねたまま
「ご飯!」
と風呂からあがってきた乱歩。
もうとっくに今には夕食が並べられていた
70人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅狐 - はっ!何処かでfriskが決意を抱いた気がする…!! (2018年10月13日 22時) (レス) id: 3d24de6556 (このIDを非表示/違反報告)
死神参謀凶華(プロフ) - 紅月さん» ありがとー、頑張る(笑) (2018年8月18日 15時) (レス) id: be92b64847 (このIDを非表示/違反報告)
紅月(プロフ) - 続編おめでとうございます! ギルド戦まで頑張れ(*´ー`*) (2018年8月18日 15時) (レス) id: c8e9e68a05 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:凶華 | 作成日時:2018年8月18日 14時