第五十二話 会議はサボってはいけないと思います 敦side ページ14
「よろしいのですか?」
喫茶店うずまきに佐々城女史の声が響く
「事務所は爆弾騒ぎで大変なご様子ですし、国木田様もとても忙しそうでしたが……」
「国木田くんは仕事の鬼だからねぇ……なにしろ寝る前に2時間手帳の再確認と追記作業をしているらしいよ。頭の中に働き蟻でも飼って───」
そこに国木田の裏拳が入る。
「なんだ、くにきーだくんいたの」
「この緊急時に会議をサボって、なにを午後のオシャレデートなどしている」
「オシャレデート羨ましい?」
「羨ましくない!」
……羨ましいんだ…
「彼女は犯人に殺されかけた被害者だよ?彼女を警護しつつ心のケアをすることこそ、探偵社として喫緊の任務じゃないか」
「軽佻浮薄が服を着て歩いているようなお前に、出番があるのか?
それに彼女ほどの美人であれば恋人くらいいるだろう」
「聞けばその恋人と少し前に別れたとか……国木田くん、いけるよ♡」
「いいか太宰!俺がここに来たのは、朝の会議をサボったお前に状況を説明してやる為だ」
「状況なら分かってるさ。爆弾を仕掛けた蒼の使徒の目的は“探偵社潰し”だ」
「あのぅ……このようなお話、部外者の私が聞いても良いのでしょうか?」
ダメでしょ……
「佐々城さんは関係者だし、問題ないよ」
えぇ……
「佐々城さんが大学で教えてるのって確か……」
「社会心理学です」
「それはいい。是非この事件に関する貴方の意見を聞いてみたいね」
「……先程から伺っていた、蒼の使徒なる人物ですが……
かの“蒼色旗のテロリスト事件”、蒼き王と、何か関係があるんじゃないでしょうか」
「やはりそう思いますか」
「もしかしたら、蒼き王、本人かも知れません。警察に追い詰められ、自爆したという事ですが……あるいは死を偽装し、今も生きているのでは?」
この世界は不完全だ。
嘆いても祈っても、偶然で人は死に、
悪は裁かれず地にのさばる
「元官僚だった蒼き王は、ある時声明とともに政府施設を爆破、標的は検察のミスで不起訴になった殺人犯や、国際的な政治汚職を行った議員など、いずれも法で裁けない凶悪犯ばかりです」
ならば希求しよう、理想の世界を
神の御手ではなく、血塗られた我らの手によって
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紅狐 - はっ!何処かでfriskが決意を抱いた気がする…!! (2018年10月13日 22時) (レス) id: 3d24de6556 (このIDを非表示/違反報告)
死神参謀凶華(プロフ) - 紅月さん» ありがとー、頑張る(笑) (2018年8月18日 15時) (レス) id: be92b64847 (このIDを非表示/違反報告)
紅月(プロフ) - 続編おめでとうございます! ギルド戦まで頑張れ(*´ー`*) (2018年8月18日 15時) (レス) id: c8e9e68a05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凶華 | 作成日時:2018年8月18日 14時