15話 ページ15
吉沢side
吉沢「監督、どうしたんです？」
テントで次のシーン待ちをしていると、
どうやらAちゃん達が揉めているよう。
彼氏と言い合ってるから、最初は喧嘩かな？とも
思ったけど、スタッフさんや監督の動きも多くなってきたのでそうではないと察する。
監督「あぁ…ここのシーンなんだけど、
小道具のスタッフが準備してなかったらしくて、
カットするべきか今から準備するべきかで向こうの
社員さんが考えた案だからって揉めてるんだよ。
俺的にはカットもありだと思ってるんだけど…
あの子の意見が強いらしい」
あの子…Aちゃんか？
バレないようにこっそり2人に近づくと、
会話が聞こえた。
貴方「…凌のプライドがそんなに低いと思わなかった。」
桃山「お前は我を通しすぎなんだよ…」
やっぱりここでも喧嘩が起きていたみたいだ。
きっとAちゃんは、一生懸命考えたシーンだから無下にしたくないんだろう。
俺だって頑張ったアドリブとかカットされたくないし…
Aちゃんは本当に仕事熱心だ。
そんなところにまた惹かれる。
吉沢「…あの、」
貴方「…っ」
桃山「…！吉沢さん！」
俺なりの考えを彼氏さんに伝えよう。
吉沢「俺はこのシーン撮りたいです。
桃山さんや山田さん、長野さんが一生懸命考えてくれたシーンだし、何よりCMは製作者本人の考えを尊重することが最優先だと思います。時間はまだありますし、何分かかってでも作りましょう。」
貴方「…吉沢さん……」
桃山「吉沢さん…分かりました。自分からも監督に話してきます！…A、ごめんな。」
貴方「ううん、いいの」
Aちゃんの頭をポンとした彼氏さんは、
俺の言葉で考え直してくれ、監督と話し合いをしに行った。
そこからは早かった。
監督も納得し、小道具スタッフを中心に材料集めやカメラチェックなどで慌ただしくなった。
残された俺とAちゃん。
吉沢「…彼氏さん、良い人だね。ちゃんと話を聞いてくれる。」
エレベーターで見た時は本気でAちゃんを奪ってやろうかと思ったけど。
貴方「…あ、あの、そのことなんですけど…」
吉沢「ん…？」
貴方「彼は…凌は彼氏じゃない、です…」
吉沢「……ん？」
貴方「だから、私、彼氏いないです…恥ずかしながら」
………んん？
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 359人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
synk - 一気読みしてしまいました！最高でした！もう更新の予定はないのでしょうか…？続きが気になります。頑張ってください！ (2021年11月1日 3時) (
レス) id: ffd759584a (このIDを非表示/違反報告)
�豈� - また続けてのコメントですみません。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 34話のここの部分 私はというと、吉沢くんの気持ちに気付いて 胸を抑えて動かないでいる。 これ正しくは吉沢くんへの気持ちに気付いてではないんでしょうか？ (2021年10月4日 1時) (レス) @page34 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
�豈� - 続けてのコメントですみません(>_<) これ正しくは私の家に泊まらせるわけにはではないんでしょうか？ (2021年10月4日 1時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
�豈� - こんばんは(*^^*) 夜遅くにすみません｡｡｡ お久しぶりです(笑) 物語読んでいて気が付いたのですが...。 33話のここの部分 佐伯くんとはマネージャーさんのことだろうか。 分からないけど、とりあえず私の家に泊まるわけにはいかない。それは阻止しないと！ (2021年10月4日 1時) (レス) @page33 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
�豈� - またまた続けてのコメントですみません。 物語読みました。 続きが気になります。 更新待ってますね。 (2021年9月9日 1時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：二の腕 | 作成日時：2021年8月1日 21時
