元鬼狩りと刀 参

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？｢あ、あの、私、貴女様方鬼殺隊について、漫画を描かせて頂きたいと、産屋敷様に依頼した者です。｣

『あぁ、話はお館様より聞いています。』

作｢！そうでしたか。有難い．．．
念の為、貴女様にもご許可を頂きたく参りました。｣

『そうですか。
まぁ、この場に来たことについては、情報収集も兼ねているでしょうけれど。』

作｢！仰る通りで．．．｣

『お館様を通して聞いているとは思いますが、許可は致しますよ。』

作｢！ありがとうございます。｣

『ただ、全てフィクションということにしてください。』

作｢え．．．？｣

『私達のように、元となるものがあることも、決して明かさないよう頼みます。
その上ででしたら、構いません。』

作｢．．．｣

『遺された数々の書記を元に、でしたか。
それをどう読み解き、どう描こうと構いません。それは自由なことですから。』

作｢．．．はい。｣

『書記に書かれていないことも、貴方が構築し、好きに創り、描いてください。
書記を無視しても良い。
だが、これを全てフィクションと言うことにすることだけは、約束して頂きたい。
元となるものがあることも、です。』

作｢．．．大体、理解が及びました。もちろんです。｣

『頼みます。』

作｢はい！ありがとうございます。｣

『いえ。』


最後に深く礼をし、その者らが去って行った。


『．．．』

時｢．．．作品が出るまで後は、時間の問題となりますね。｣

『そうだな』

時｢．．．．．．人喰い鬼が、鬼舞辻が過去に在ったという事実を、隠したままにしたいのですか？｣

『．．．正確には、それ故にあった悲惨な過去を、人々の苦しみと悲しみを、かな。
なかったことにしたいのではないんだ。ただ、知らなくていいこともある。
今はもう、忘れ去られていく過程にあるものなのだから。』

時｢！そうですか．．．｣

『過去にあったあの事実を知ったところで．．．何にもならない。
人の中には、強い同情をしてくれる者、強く感情輸入してしまう者もいる。
要らない、関係無い恨みを抱いてしまうかもしれない。
中には、鬼と化したい愚か者もいるかもしれない。
もっと、想像にも及ばない思考や行動に及ぶ者もいるやもしれない。』

時｢．．．そうですね．．．確かに．．．｣(ﾌﾑ

『だからこそ、隠したまま、忘れ去られれば良い。
もう人喰い鬼はいない。ただそれだけで良いんだ。』

時｢はい。｣

？｢その人喰い鬼に、俺は入らないのか？｣

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