元鬼狩りと刀 参

104 ページ4

『"妖の呼吸･壱ノ型･餓者髑髏"』


一瞬で、凄まじい数の斬撃が繰り出される。


睦｢(みんちじゃ．．．みんちになるぜよ．．．)｣

『"弐ノ型･雪女"』


元日のただでさえ冷たい空気が、更に凍てつく。


『"参ノ型･狐火"』


青紫色の炎が、日輪に沿う。


薬｢(生皮でも剥ぐような動きだな．．．)｣

『"肆ノ型･土蜘蛛"』

太｢(足止めの技、ですか．．．)｣

『"伍ノ型･ぬりかべ"』

冨｢！(凪に少し似た．．．防御の型．．．？)｣

『．．．"終ノ型･月下美人"』


天空に、白く巨大な月下美人が咲く。

見蕩れる程に美しく映ったそれが次の瞬間、ジワジワと血に染る。


皆｢．．．っ！？｣

『妖の呼吸はこれで全て。』


納刀と同時に、月下美人が消える。


『私の知る呼吸はこれで全てです。』

里｢うん、ありがとう。｣

産｢ありがとうございました。
ではこれよりは自由時間です。交流や飲食など、どうぞご自由に行われてください。｣


その言葉を皮切りに、皆自由に動き始めた。

Aが神楽殿から降りると、不死川知弥が来る。


不｢疑うような言動をして申し訳ありませんでした。｣

『！はは、気にしないでおくれ。疑って当然だ。』

不｢．．．ありがとうございます。｣


煉獄桜寿郎もかけてくる。


桜｢分家の者が申し訳ありませんでした！そしてありがとうございました！｣

『千寿郎の．．．桜寿郎だったか。気にしないでおくれ。』

桜｢はいっ！ありがとうございます．．．！｣


皆色々と聞きたいことがあるようで、沢山の質問が飛び交い、

Aは記憶にある範囲で回答をしていった。

ある程度答えると、御礼と共に少しずつ数は減って言ったり


睦｢主、主、出店があるぜよ。｣

『そうだね。隠の子孫の子らかな。』

時｢そうですよ｣

『！時野。』

時｢はい。久方ぶりに呼吸を見れました。やはりどれも美しいですね．．．殺傷能力はありますが。｣

『はは、確かに傍から見ていると綺麗だよね。血が舞わなければ。』

時｢全くです。｣

『むつ、皆で出店に行っておいで。好きな物を買って食べな。』


そう、陸奥守に財布を渡す。


睦｢！！えいがか？｣

『もちろん。
私にも何かお願いね。』

睦｢分かったぜよ！｣


陸奥守が駆けていく。

残ったAと時野の元に見知らぬ人が二、三名歩いてくる。


？｢あの．．．少しお話よろしいでしょうか？｣

『？何でしょう。』

105→←103

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す