元鬼狩りと刀 参

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髭｢僕は〜？｣

『．．．ん〜、』

髭｢鬼退治でしょ？僕頑張るよ？｣

『．．．蜻蛉切と変わろうか。』

蜻｢は。｣

『"鬼退治だ、髭切。"』

髭｢任せて〜！｣

『それじゃあ、お前達。ぶちのめしてきて。』


元気な引き締まった返事が返ってきた。

部隊が配置につきに向かう。


蜻｢．．．主、その腕は．．．｣


後ろ手に組んだ手。

その左腕にはずっと血が滴り落ちている。


『？』

蜻｢いや、血があまりに流れておりますので．．．一先ず止血をした方がよろしいかと思うのですが．．．｣

『あぁ．．．止血は後でするよ。今してもどの道まだやってしまう。』

蜻｢！？｣

『こうでもしていないと怒りと憎しみとで気が触れてしまう。』

蜻｢っ．．．｣

『ごめんね』

蜻｢い、いえっ！痛いのは主です．．．後ほどきちんと手当を．．．｣

『うん。』


少しして、またも刀同士のぶつかる鋭い音が聞こえてくる。

そのほんのちょっと前。


『．．．！』(ｻﾞﾜｯ


少しばかり悪寒がした。


蜻｢．．．！ぶつかりましたな。｣


結果はまたも勝利。

傷の治った部隊が戻ってくる。

彼らがAの元に到着する前に、童磨が来る。


『．．．』(ｷﾞﾛ

童｢そんなに睨みつけないでおくれよ｣


蜻蛉切は槍を構えている。


童｢負けちゃって悔しいけど、今日はもう帰るね。
またね〜、Aちゃ｣

『名を呼ぶな。その首切り落とすぞ！』

童｢怖いなぁ。分かったよ、神柱ちゃん。｣


童磨が自身の本丸へ続くゲートを開き、そこへ歩いていく。

ゲートをくぐる直前に振り返り、


童｢あ、そうだ。
さっきの演練で、間違えてオリジナルで作った毒矢の刀装を使っちゃったんだよね。｣

『．．．は？』

童｢いや、わざとじゃないよ？｣


Aの右手が日輪にかかる。

抜くのを止めるように、血みどろの左手が右手を抑える。


童｢当たってないと良いんだけどね。演練後の回復じゃ治らないだろうから。
まぁ、当たってても命に関わるものじゃないから大丈夫だよ。辛いと思うけど。それじゃあね〜｣


童磨がゲートをくぐり、そのゲートが消えていく。

怒りに震えると同時に、それを抑える手が震える。


蜻｢あ、主．．．｣


Aの息は、

ﾌｰｯ、ﾌｰｯ

と少し荒く、青筋が浮き上がっている。


睦｢主！勝ったぜよ！！｣


そこに、部隊が戻ってくる。


睦｢．．．どういた、主。｣

『！．．．いや。良くやったね。』

睦｢おん！｣

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