第1話【天白】 ページ3
時期としては中途半端だけど、私は夢ノ咲学院の1年生として転校してきた。
真新しい青色の制服を着て保健室の佐賀美先生に言われた教室へ向かう。
なんでも、最近学院内でもかなりの規模のイベントが終わったらしく、先生たちは皆、忙しいみたい。
なので私はこのだだっ広い校舎を1人で歩くことになってしまった。
……にしても、この校舎…広すぎ……
転校生にはかなりキツいんですけど…
とりあえず、自分のクラスにはたどり着きたいよな…
なんとなく佐賀美先生に場所は教えて貰ったけど、その案内ももはや当てにならない。
気が付くと、全っ然知らない場所へとたどり着くことが出来た。
ヤバい…マジで迷った……
どうしようもなく、ただただそこに突っ立っていると、
「そこの君！どうしたの？」
声をかけられ、振り向いた。
その先には、男子3人と女子1人。
ネクタイの色が青いから、2年生だ。
男子の方はまだあまり分からないけど、女子の方はなんとなく想像がつく。
まぁ、それは置いといてとりあえずクラスの場所を聞こう。
『あの、1−Aはどこにありますか？』
私が尋ねると、その人たちは案内すると言ってくれた。
ありがたい…！
クラスに向かうまでの間、その人たちと少し話した。
どうやら、この人たちはTricksterというユニットらしい。
そして、やはりこの女子生徒はプロデューサー科第１号の私の直属の先輩にあたる人だった。
てゆーか彼らは私が転校生で新しいプロデューサー科の生徒だってことも知ってた。
まぁ、知られてて当然なのかもな。かなり珍しい存在らしいし。
「よし、着いたぞ転校生……だとこっちの転校生とごっちゃになるな」
北斗先輩が呟いた。
それにすぐさまスバル先輩が応答する。
「なら、名前で呼んであげよう！」
「うむ。そうしよう。よろしくなA」
『はい！こちらこそよろしくお願いします！』
「また分からないことがあったら、僕たちになんでも聞いてね！」
『はい！そうしますね！』
最後に、あんず先輩を振り返った。
『これから、よろしくお願いします！あんず先輩！』
そして私は教室のドアに手をかけた。
さぁ、私のアンサンブルを奏でよう。
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