夜桜【黒川イザナ】 ページ35
現代の時間帯にして午後19時〜21時頃
本日は金曜日で空には三日月が雲の隙間から覗いていた
「今日は意外と人少ないね。平日だからなのかな？」
「人少ない方が助かる。景色もよく見えるし」
仕事終わりに夜桜を鑑賞しようと事前に彼らは予定を合わせた
桜を観る為に2人とも今日は定時で上がった
「桜の名所と言えば目黒だよな」
「うん。多分大半の人がまず思いつくのがここだと思う」
2人は桜の名所と知られている目黒区に来ていた
「桜まつりも賑わってるね」
お花見期間中は桜まつりが行われ桜並木沿いに多くの屋台が立ち並んでいた
「あぁ。そうだな」
夜はライトアップされたぼんぼりが夜桜と目黒川を照らして幻想的な空間を作り上げていた
「なんか気になるモンがあったら言えよ。なんでも買ってやる」
隣を歩いている彼は屋台の方に目を向けた
「ふふっ…。ありがとうね」
微笑んだ後に彼女は彼と手を繋ぎ直した
高層ビルが立ち並び多くの人が行き交う
大都会東京にも癒しの空間があり、桜を鑑賞できるスポットが多く存在した
煌びやかな都会の雰囲気と桜のコラボは東京でしか目にすることができない美しさがあった
「夜桜って幻想的だよな」
息を呑むほど美しい夜桜の景色はまさに絶景だった
「うん。とってもキレイ…」
うっとりとした表情で彼女は景色に釘付けになっていた
「この場所の桜は…散ってからも美しいよね」
約800本も植えてあるソメイヨシノは距離にして約4kmもの桜並木が連なっていた
風に揺らいでひらりと舞い落ちた桜は目黒川一面に広がり圧巻の景色を見せた
「あぁ。水面下に落ちてンのも
都内で花筏が見れる貴重な場所であった
「うん。
桜の花が散って花びらが水に帯状に浮かんでいる様を花筏と言う言葉で例えられていた
これもまた一興で落ちてからも楽しみがあった
2人はしばらくの間目黒川に流れる川や桜を見ながら季節の景色を堪能した
「あっ。もうこんな時間だね」
スマホを開いて時間を確認した
「なんだか帰るのもあれだし…
今日はこの辺に泊まって行かない？」
職場や自宅から遠い所までやって来たので帰宅するのが
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作者名：おりたん | 作成日時：2023年2月19日 9時
