口紅【灰谷竜胆】 ページ7
「A。準備できた?」
「んー。待って。もうちょい」
デートに行く前の彼女は念入りに身だしなみを整えていた
「……女は身支度が長いよな」
そう言って彼女のドレッサーの周りにあるコスメを物色した
「女にはね、色々あるの」
彼女は丁寧にアイラインを引きながら彼に告げた
メイクアップは1種の魔法
女性が化粧をする理由は様々あるが
1番は…
"自分を表現する"
自分の為に、自分を満たすという意味で彼女は日々メイクに力を入れていた
「それに…美意識が高いのは、職業柄仕方ないことだよ」
追記するように告げた
「あっ。そうだ。アホ毛ブラシ貸して」
思い出したかのように彼は彼女からスティックタイプのヘアケア用品を借りた
「コレ便利だよな。思った時にサッと直せて」
大きめのマスカラの形をしたヘアケアアイテム
使用の用途としては、頭頂部や前髪をまとめる際に使う便利なアイテムであった
「うん。ポーチに入るサイズだから、普段から持ち歩いてるよ」
小ぶりでポーチの中に収まるサイズ感なのも良い点であった
「私にとって…コスメはお守りみたいなものだよ」
キレイは女性の味方になると同時に武器にだってできる代物だ
「特にカラーマスカラが好き」
目元を華やかに魅せくれるカラーマスカラは…
種類やカラーバリエーションが豊富で、ついたくさん集めたくなってしまう程に夢中になれるアイテムだった
「ピンク系のマスカラと、アイラインの組み合わせがかわいくて好きなの」
服装や気分に合わせて組み合わせは無限大だが…
同系色でまとめると目元がより華やかになり、さらにオシャレ感が漂った
「あー…マスカラでだいぶ雰囲気変わるよな」
するかしないでは、かなり印象が変わってくるのもメイクの醍醐味であった
「マスカラとアイラインしないと…
何だかビシッと決まらなくて、落ちつかないの」
主にアイラインとマスカラをしなければ化粧をした気になれなかった
「オレはAの涙袋が好き。ぷっくりしててかわいい」
涙袋メイクは目元に透明感を与えて目を大きく見せ、主張させるメイクのことであった
瞳がうるっとして見えるのも愛らしい印象を与えるので、男性ウケはとても良かった
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作者名:おりたん | 作成日時:2022年11月13日 21時