愛寵噺弐【東京卍リベンジャーズ】 (ページ29)

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ホワイトクリスマス【黒川イザナ】ページ29

「うぅ…。今日も寒い…」

彼女は両手をさすりながら隣を歩く彼に寄り添うようにぴったりと密着した

「それな。冬早く終われ」

彼女の冷たい手を握りながら彼は本音を零した

「プライベートだったらまだ我慢できるけど

通勤に関しては私も冬は苦手だな…。」

朝が弱い彼女は起床するのも一苦労だった

そして何よりも真冬の通勤は地獄であった

「凍結した路面と雪道を走るのがホントに苦手」

運転をする上で凍結した道路と雪道の轍(わだち)ほど恐ろしいものはなかった

都内は大した事ないが地方に出張に行く際が中々困難だった

「電車とか交通手段は色々あるけど…愛車が1番落ち着くんだよね」

悪天候の場合運転の見合せなどがある為、手っ取り早く車で行った方が効率が良かった

「Aは今…四駆の普通車だったよな」

同棲中の2人は各々が別で車を所有していた

「うん。もしもの話だけどさ……」

会話の流れで彼女は過程の話をし始めた

「雪道で私がイザナの外車に乗ったら…多分、事故起こすと思う」

「あー…Aならやりかねンな」

主にウィンカーとワイパーを間違える可能性が高かった

「外車を乗りこなしたいけど…中々難しいね」

彼女は輸入車を自分で運転する事があまり得意ではなかった

「まぁ。冬以外だったら貸してやるよ」

彼女の気持ちを察した彼は自分なりに気を使った

「ってか…今日のAの服。中々似合ってるじゃねェか」

彼は歩きながら話題を変えて彼女の服装について話した

「ホント？そう言ってもらえて嬉しいな」

本日の彼女の装いは…

白のニットワンピにピンクのチェスターコート

足元はブラウンのロングブーツを着用していた

オシャレと防寒対策を兼ねてベージュのベレー帽を被っており、彼とおそろいの白のマフラーを首に巻いていた

「デートコーデを意識してフレンチガーリーにしてみたよ」

「ん。Aのそういう服装好きだわ」

彼女の勝負服は彼の好みに刺さった様子だった

2人は他愛もない会話をしながら今日の目的であるショッピングに向かった

店内＿＿

2人はハイブランドを取り扱う店舗に来ていてジュエリーを選んでいる最中だった

「ねぇ…。ホントに…好きなもの選んでいいの？」

彼はクリスマスプレゼントは彼女自身に選ばせる方向でいた