キュートアグレッション【三途春千夜】 ページ3
「うさぎさん…。だーいすき」
彼女は抱き枕のうさぎに一方的に話しかけて、ぎゅっと抱きしめていた
ほろ酔いの彼女は頭も体もふわふわしていた
「うさちゃんかわいい…」
ふわふわしている彼女は、ふんわりしている物と戯れていた
「ふふっ…。ふわふわしてるー」
彼女の一人芝居はまだ続いていた
「………くっそうぜェけど、くっそかわいい」
彼女の発言と言い方に殺意が芽生えたが…
彼女が愛おしく可愛いので全て許せれた彼であった
少しキュートアグレッションのような考えがよぎった
「ってかA。最近飲みすぎ。
なんだ？ストレスでも溜まってンのかよ」
近頃の彼女は飲酒のしすぎで、アルコール中毒の1歩手前まできていた
「んー。そんなコトないよー」
彼女は呑気に返事をした
「ストレスは…自分で消化してるから、大丈夫だよー」
彼女は溜め込むタイプの性格をしており…
仕事やプライベートのストレスは人の目につかない所で発散していた
同時に心優しい性格の持ち主で、彼相手でもあまり他人の愚痴を言わなかった
「でも…コッチは溜まってるかも」
呟くように言った彼女は彼に寄り添った
「ねぇ。春千夜」
甘えた口調で彼の名前を呼んだ後に、次の言葉を放った
「シたいから…抱いて……？」
瞳にはうっすらと涙をためて上目遣いで夜のお誘いをした
「………そんなうるっとした
彼は彼女のこの表情に弱かった
「いじめたくなる」
本音を零した彼は彼女の顎をすくってそのまま口付けを落とした
「んっ…。いいよ。私のコト、いっぱい…いじめて……？」
彼女はこれが本望と言っていつでも彼を受け入れる気でいた
「ったく…どーなっても知らねェからな」
彼の心の奥に秘めたサディストが芽生えた瞬間であった
「んッ…」
彼に優しいキスをされた彼女は吐息を零した
「A。コッチに集中しろ」
そう言って彼は彼女から抱き枕を取り上げた
「ぁっ…。私の、うさちゃん……」
彼に抱き枕を取り上げられた彼女は、少し悲しそうな表情をしていた
「ぐるみは置いとけ。今はいらねェだろ」
彼は少しだけぬいぐるみに嫉妬していた
今すぐにでも、投げ飛ばしたい衝動を抑えた彼は…
ベッドの下の横付近にそっと優しく立てかけた
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作者名：おりたん | 作成日時：2022年11月13日 21時
