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「せっかくだから…私もアイス食べようかな」
読んでいた雑誌を閉じた彼女は彼の方を振り返りながら告げた
「ん。わかった」
未開封の箱を開けた彼は自分の分と彼女の分の2つを取った
「冬場でもアイス食べたくなる時あるよね」
乾燥していると冷たい飲料や氷菓などの潤いが欲しくなる傾向が高かった
「あぁ。体幹した後とか冷たいものが恋しいなって思う」
普段から体を鍛えていて筋トレをした後などは余計に求める様子だった
「そういえば…今日リップ買ってきた」
ソファーに腰をかけながら彼は思い出したかのように告げた
「Aが見つけたら買ってこいって言ってたやつ」
そう言って袋から中身を取り出した
「あっ。ヴィ◯のリッププランパー!」
諦めきれなかった彼女は彼にも探すように手伝ってもらっていた
「これどこに行っても売り切れで…半分諦めてたの」
ドラッグストアで買えるコスメだが人気故に入荷しても即完売するため中々入手が困難だった
「デパコスのやつも持ってるけど、試してみたかったの」
ハイブランドのマキシマイザーとかなり似ていると噂の商品だった
基本的に何事も使い切ってから試すのでタイミング的にはちょうど良かった
「青宗。本当にありがとう!」
気を使ってくれた彼に対して彼女は心から礼を言った
「Aが喜んでくれて良かった」
彼女の嬉しそうな顔を見て彼も自然と頬が緩んだ
「……A。イチャイチャしよ」
彼は控えめに後ろから彼女を抱きしめた
「それはいいけど、なんだか今日は…
ずいぶんと甘えん坊さんだね?」
彼が自分から甘えてくるのはかなり珍しかった
「そういう日もあるんだよ」
そう言って彼女にすり寄った
「オレだってAに甘えたい時くらいある」
自分にとって愛おしい彼女ほど癒しな存在はなかった
「ふふっ…。いいよ。いっぱい甘やかしてあげる」
微笑んで告げた彼女は向き直って彼をぎゅっと抱きしめた
「A。ありがとう」
愛のある
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作者名:おりたん | 作成日時:2022年11月13日 21時