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「お前が大丈夫でも…
オレは大丈夫じゃねェんだよ」
彼女の話を聞き終えた彼は久々に口を開いた
「嫉妬とか…そういうレベルじゃねェんだワ」
少し顔を俯かせて言う彼はどこか悲しそうな表情をしていた
「……ごめんね」
彼女は彼と視線を交えた
「まぁ…素直に謝ったことは許してやる」
謝罪に対しては妥協した様子であった
「けど、オレを嫉妬させた罪は償ってもらうから」
至って真面目に告げる彼は自分では正気を保っていると思っていた
「んッ…!」
戸惑う彼女をよそに彼は無言で彼女の唇を奪った
「ちょ、ちょっと!春千夜…!」
いきなりの展開に彼女は目を開いて驚いた
「A。ちょっと黙ってろ」
「…っは……んッ…っ、」
彼は何度も角度を変えながら彼女に貪るように唇を重ねた
「触られた箇所をオレが上書きしてやる」
「…っ……んッ……ぁっ…!」
彼が彼女に触れる手つきは意外にも優しかった
「んぅ…っ…他人に触られて、気持ち悪かった…けど……」
唇の少しの隙間から彼女は声を振り絞った
「ここ、外…だから。…っ…スるなら…帰ってからで…」
夜の路地裏とはいえ彼女はやはり人目を気にしていた
「却下」
即答で切り捨てられ彼女の願いは儚く散った
「今Aに触れないと気が狂いそうなンだよ」
余裕がないと言って彼は彼女の胸を優しく揉んだ
太ももを撫でている彼の手は、段々と怪しい方向に向かっていた
「そ、ソコは触られてないから…!」
下半身を下着越しで擦られた彼女は慌てて否定した
「知ってる。念の為に触ってンだよ」
確認と偽り中に指を入れようとしていた
「それに、今は人通り少ねぇし…野外って興奮すんだろ?」
彼は野外での緊迫した状況に興奮を覚えていた
「それは春千夜だけだって…!」
「嘘つけ。Aも乗り気じゃねェか」
言葉とは裏腹に彼女の体は素直に濡れていた
「…っ……だって…春千夜が、変に触ってくるから…」
「まぁ…これ以上はさすがにヤバいからな。
続きは帰ってからシテやるよ」
「…っ……うん…」
お預けを食らった彼女は、安心と同時に少しもの寂しさを感じた
「帰ったら覚悟しとけよ」
耳が弱い彼女に…
囁くように告げた彼は
ただの策士であった
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作者名:おりたん | 作成日時:2022年10月1日 2時