正論 ページ8
時刻は午後21時
梵天メンバーは他組織との会合の帰りであった
灰谷蘭「今どきの子ってさー
女でも不良多いよな」
九井一「ただの深夜徘徊じゃねェか」
彼らは道中で1人の女子高生が、路地裏でスカウトされているのを目撃した
『どうしたの?路頭に迷ったのかな…?』
心配したAは少女に優しく声をかけた
少女から話を聞けば、どうやら家出をしてきた様子だった
「うぅ…ごめんなさい……」
連れて行かれそうになった恐怖で、少女はAの前で泣き崩れていた
それと同時に…
Aを含めた周りにいる大人たちに、迷惑をかけた事も重ねて謝罪した
『大丈夫だよ。さっきの人は、もういなくなったから』
Aは安心させるように少女を抱きしめた
『温かいものでも飲んで…落ち着こうね』
そう言ってAは先ほど自販機で買った飲み物を少女に渡した
女子高生にスカウトしてきた輩は先ほどNo.2が始末した
三途春千夜「これだからガキは嫌いなンだよ」
無駄な労働をした事で彼は気が立っていた
初めに少女に声をかけたAに対して、腹を立てているのではなく…
自分の危機管理能力が低い女子高生に対して苛立ちを覚えていた
灰谷蘭「勧誘されたとか自業自得じゃん」
全くもって正論であった
未成年がこの時間にこの場所を出歩いてる方がどうかしていた
灰谷竜胆「自分で金も払えねェようなガキが
この街に、こんな時間に近づくんじゃねェよ」
これは新宿歌舞伎町の事を指していた
女子高生の少女は所持金がゼロに近い状態だった
灰谷蘭「そんなんでよく家出しようなんて思ったね」
理解に苦しむと言って彼は冷ややかな視線を送った
三途春千夜「はよ帰って寝てろ」
言い方に棘はあるが彼らは未成年を放って置かなかった
三途春千夜「つか目障りだから消えろ」
自分の視界から消え失せろと言って、彼は怪訝な態度を取った
『この人たちは辛辣な言い方だけど…
けっして悪い人じゃないからね』
少女に言い聞かせるように言って、Aはより一層強く抱きしめた
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作者名:おりたん | 作成日時:2022年9月19日 16時