艶ノ譚肆【梵天】 (ページ23)

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煽動ページ23

EV

電気自動車

PHV

プラグインハイブリッド

全電動化が進む中で

今の時代…

マニュアルトランスミッションは衰退(すいたい)傾向にあった

灰谷蘭「マニュアルの方が運転してるって実感が湧く」

彼は感性について語った

『MT車の…醍醐味(だいごみ)ですもんね』

最大の魅力が、運転の状況に応じて自ら操作する方法であった

『それに…高級車って、感慨深いものがありますよね』

富裕層は物の価値を最大限に生かす性格が多く見られた

灰谷蘭「自分の年齢や年収に応じて…

身の丈にあった車を選ぶのは大事な事だよ」

他人からの評価を大切にする富裕層は、自分のステータスに合った高級車を所持していた

高級車を購入する目的の1つとして例だが…

負担軽減に繋がる事であった

灰谷蘭「高級車を社用車として購入すれば

必要経費に計上できる。って九井が言ってた」

値段の高い車を購入すれば利益を減らす事ができた

『…っ……なんだか、後ろの方…騒がしいですね』

運転に集中しているAはバックミラーで後方を確認した

灰谷蘭「後ろ。煽ってきてンな」

異変に気づいた彼もサイドミラーで後方を確認した

後方に位置する1台の車は前方の車を煽っていた

現在走行している道路は2車線

周りに走っている車が少ないにもかかわらず…

相手の車は無駄に車間距離を詰めては、無意味にAたちを煽っていた

灰谷蘭「若い女が外車運転してるからってナメんなよ」

彼は吐き捨てるように告げて、バックミラー越しに後方を睨んだ

「やっぱ合ってらァ」

前方の車と目が合った助手席に居座っている相手は、確信したと言った

「見ろよ！天下の梵天様だぜ？」

「幹部の灰谷蘭と……ん？

運転席にいんのは、女じゃねェか」

「は？おい。若い女がヴァンテージに乗るなんざ

立場を弁えろよ。身の丈に合ってねーんだよ」

「マジでイキってんなー。余計に煽りたくなるわ」

運転席にいる者はマフラーを吹かしてさらにアクセルを踏み込んだ

『蘭さん、どうしましょう……』

後方の車が先ほどよりも詰め寄ってくるのに対して、Aは焦りを見せた

灰谷蘭「Aはそのままアクセル踏んでて」

半分涙目のAを彼は安心をさせるように、優しく頭を撫でた