下敷き ページ27
灰谷蘭「この前三途から聞いたけど…
Aはかなり銃使いこなせるみたいじゃん」
No.2はAが梵天に加入してからの教育係であった
それ故に裏社会での生き方、自分の身を守る術など…
彼が直々にAに教え込んでいた
『私にとって、カーチェイスは…
二度目になりますが……』
Aは以前も車上戦闘を経験していた
『これも経験の内と思って…
全力で、蘭さんの期待に応えます』
覚悟を決めたAの瞳は真剣そのものだった
灰谷蘭「そこまで気を張らなくても大丈夫だよ」
彼は少し自分の言い方が悪かったと言った
灰谷蘭「プレッシャーをかけるようなこと言ってごめん」
重荷を背負わせる様なことを告げた事をAに謝罪した
『大丈夫ですよ』
Aは彼と視線を交えた
『佐野さんからの命で、私の任務は
2人でこなす事を…義務付けられていますので』
これは組織の規約に基づく事と、首領との契約内容の一部であった
『私にできる範囲のことはやりますし…
今回は、全力で蘭さんをサポートします』
Aは首領に身請けという名の…
加入をさせられた時から、組織に全てを捧げていた
恩人である首領には自分の命を預けている
灰谷蘭「………頼もしいな」
彼はAの熱意に応えて…
自分も全力でAをサポートすると告げた
灰谷蘭「見えてきたな。
坂道に差し掛かった時…
彼はレバーを引いて変速ギアを変更した
灰谷蘭「これだからマニュアルは…面白ぇンだよ」
重厚感のあるクラッチを踏み込んでギアをチェンジした
運転に自信がある彼はこの状況を少し楽しんでいた
灰谷蘭「A。今だよ」
標的は狙い通り彼らの後方についてきていた
『はい…。いきます』
鉄骨が縛られている縄の結び目を目掛けてAは発砲した
弾丸は見事に命中して標的の頭上に落下した
灰谷蘭「あらー。派手に逝ったな」
標的たちは不意打ちの鉄骨を避けきれず、鉄骨の下敷きになり犠牲となった
数分後__
灰谷蘭の直属の部下が現場に到着した
「霊柩車ですか。蘭さんは…
言葉の言い回しが、中々外道ですね」
彼は一人言を呟きながら後始末に取り掛かった
491人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おりたん | 作成日時:2022年9月19日 16時