闇夜に咲く一輪の花６【梵天】

平伏 ページ29

佐野万次郎「俺に気安く触るな」





首領は男を一瞥して手を払った





「ごめんって〜」





全く詫びる様子はなく常に笑顔を浮かべていた





「I'ris譲ってくれたら代わりにこの子をあげるよ」





美涼のことを喉から手が出るほど欲しい様子であった





「交換(トレード)と行こうじゃないか♪」





男のこの一言で首領はブチ切れた





佐野万次郎「テメェと話すことはもう何もねぇよ」





首領は男の胸ぐらを掴んで思い切り殴って暴行を加えた





明司武臣「上客相手に何やってんだよ」





相談役の明司は頭を抱えていた





佐野万次郎「文句あんのかよ」





首領は一発でノビてしまった商談相手を見て見下ろしていた





明司武臣「いや…お前が自ら手を出すなんて



らしくねぇって言ってんだよ」





首領から命令が降れば自分が相手を殺害していたと告げていた





佐野万次郎「俺だって美涼の為なら…



時には手を汚してやるよ」





全ては美涼を護る為にした正当防衛であった





明司武臣「……異論はねぇよ」





首領のご意向には誰も逆らえないので黙って従う他なかった





明司武臣「ったく、無敵のマイキーには適わねぇな」





かつての暴走族時代の肩書きを言っていた





佐野万次郎「兄貴の右腕がそれ言うかよ」





首領は商談相手に銃を向けてそのままトドメを刺した





真(シン)




お前の




弟は




もう…




戻れねぇ




とこまで




来てるぞ

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