心情 ページ9
灰谷蘭「部下くんじゃん」
美涼の直属の部下は蘭に声をかけられた
「蘭様」
彼は先ほどまで竜胆の部下と茶を共にしていた
灰谷蘭「美涼は今風俗に潜入だろ？」
美涼のことを誰よりも一番近くで見ている彼にそう問いかけた
「はい…」
彼は不安そうな顔で返事をした
灰谷蘭「部下くんの気持ち分かるよ」
彼の心情を理解している蘭は同情した
灰谷蘭「俺もあいつのこと心配してるから」
そして儚く告げた
灰谷蘭「まぁ…なんとかなるだろ」
蘭は彼の前では吹っ切れたように振舞っていた
灰谷蘭「美涼は賢いから大丈夫だよ」
遊女って言ったら…
春を売るのが仕事だろ
ふざけんなよ
マイキー
美涼の直属の部下と会話を後にした蘭は、三途の元に向かっていた
灰谷蘭「なぁ…三途」
蘭は三途に煙草の火を分けてもらっていた
いわゆる、シガーキスというやつであった
三途春千夜「あ？何だよ」
灰谷蘭「俺には首領が何を考えてるのかわかんねぇよ」
三途春千夜「それは…美涼のことか？」
話の概要をすぐに察した三途は蘭に問いかけた
灰谷蘭「マイキーのやつ…ホント大概にしろよ」
三途の問いかけに対して蘭は頷いた
灰谷蘭「美涼にこんな任務押し付けやがって」
蘭は誰よりも美涼のことが気がかりであった
灰谷蘭「客とは寝ないみたいだから安心したけど」
事前に本番の話は口車を合わせて蹴ってある
「蘭」
隣で静かに話を聞いていた三途は蘭の名前を呼んだ
三途春千夜「聞かなかったことにしておいてやる」
そして一言だけ告げて煙草の火を消した
んなこと…
俺だってわかんねぇよ
マイキーが
何を思って
美涼を…
任務に就かせたのか
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作者名：おりたん | 作成日時：2021年12月4日 10時
