闇夜に咲く一輪の花５【梵天】 (ページ45)

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援護ページ45

『……離してくださいよ』

標的を刺激しないように美涼は言葉を慎重に選んでいた

「緊張してる？大丈夫だよ。手ほどきは得意だからー」

わざと気を使っている美涼に対して、話を聞かずにまるで無視していた

「…っ……その人に…気安く、触らないで…」

女性の部下は怖気づきながらも勇気を出した

「なんだ？美女の連れは強情かよ」

「えー…今ので萎えた」

「この女殴ってい？」

標的の中の1人は女性の部下を殴ろうと拳を振りかざした

『ちょっと！やめてよ！！』

自分を庇った部下に対して美涼は声を荒げて叫んだ

その刹那に新しい声が割って入ってきた

三途春千夜「身を呈(てい)して美涼を庇ったことは褒めてやる」

そう言って部下の前に出て標的の拳を受け止めていた

「三途さん！」

女性の部下は頭を深く下げて詫びを入れていた

灰谷竜胆「2人とも…怪我はねぇか？」

三途に続いて竜胆も美涼と部下の前に現れた

『竜胆！！』

三途と竜胆は2人を庇うようにして標的の前に立った

『君は先に…車まで走って』

美涼は女性の部下を抱き締めながら言った

『私はまだ行けないから。君だけでも先に避難してね』

最高幹部である立場故に美涼はこの場を見過ごせず残った