六 ページ8
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「もうよるになってしまいましたね……。ほんまるにのこされたみんなはだいじょうぶでしょうか」
「何もなければいいんですがね……」
あのあと結局行く宛もないまま街を歩き続け、結局公園に戻ってきてしまった。夜空を見上げ、ふと目に入った三日月を眺めていると、カチャンと鎧らしきものが動く音が聞こえた。
「……なにかいます」
今剣は私の手を引くと駆け出した。物音を立てた何かは追ってきているようだ。
振り返り、それの正体に気づいて目を見開く。
「歴史修正主義者……!?」
打刀、だ。それよりも何故此処にいる。この時代に現れたという報告は一度もない筈だ。
追い付かれないよう必死に走り、公園から外れて港まで来てしまった。コンテナ倉庫を抜けると港の端に着いた。この先は海、行き止まりだ。
「……ぼくはまもりがたななんですよ!」
今剣は上に跳ぶと敵の頭めがけて刀を降り下ろす。ざしゅっという音がして敵は完全に消え去った。
「あるじさま、だいじょうぶですか?」
「……えぇ」
早くこの場から立ち去ろう。元の時代に戻って政府に報告しなければならない。
そうしないと、歴史が変わってしまう。それはダメだ。阻止するべきだ。
「早く……早く戻らなきゃ……」
「……貴様、何者だ」
聞き慣れない声が響く。
「……誰?」
黒い外套。痩せ細った体。目は睨み殺しそうなほど鋭い。外套が変形して何故か獣の姿を纏った。
「あるじさま。あれは……」
今剣も初めて見る謎の力に困惑する。私もどうしていいのかわからずに立ち尽くしていた。
「此処はポートマフィアの地。勝手に入ることは許されぬ」
「ポートマフィア? なんでしょうか、それ」
黒外套の青年は何も云わない。代わりに外套で作られた獣が此方に向かってきた。
「ふむ、面妖な術を使うのか。これは厄介だな」
獣は弾かれた。刀によって。
「……増えたか」
黒外套の青年は咳き込み乍らも急に現れた敵へと目を向けた。
その人は私も、今剣もよく知る人物。
「……三日月、さん」
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織川(プロフ) - カティさん» ありがとうございます!続編でもぜひぜひよろしくお願いします……! (2018年3月25日 14時) (レス) id: f371f8209b (このIDを非表示/違反報告)
カティ(プロフ) - 続編おめでとうございます!とても面白い作品ですね(*^^*)尊敬します! (2018年3月24日 9時) (レス) id: 0319e8dbc2 (このIDを非表示/違反報告)
織川(プロフ) - 花凪@南アルプス天然水さん» ありがとうございます……!! (2018年3月21日 14時) (レス) id: f371f8209b (このIDを非表示/違反報告)
花凪@南アルプス天然水(プロフ) - はい神作。うん。 (2018年3月19日 10時) (レス) id: 883e9e7f0a (このIDを非表示/違反報告)
織川(プロフ) - サッピーさん» ありがとうございます……! いつもこんな感じでいいのかな、と不安だったのですがサッピー様のコメントで不安吹き飛びました! 更新がんばります! (2018年3月5日 16時) (レス) id: f371f8209b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:織川 | 作成日時:2018年2月25日 11時