検索窓
今日:9 hit、昨日:30 hit、合計:382,347 hit

二十四 ページ26

.









昔、歴史修正主義者もとい時間遡行軍に同情していたなんて云えば、私は非難の声を浴びせられるだろう。


それでも、審神者を始めたときはそういう考えを持っていた。


彼らが歴史を改変しようと目論むのは、自分たちの前の主を救いたいからなのでは。


勿論同情はしても逃がしたりすることはなかった。殲滅し、任務はちゃんと済ませた。


だが、何時しか歴史修正主義者に対する同情は消えてしまった。
 私には守らなければいけない子たちがいる。刀剣男士だ。昔は静かだった本丸は、今では毎日お祭り状態。
 楽しくて、嬉しくて、その日常を守りたいと思う。その日常を崩す恐れのある敵はいらない。容赦してはいけない。


誰かを守りたいのなら、他の何かを犠牲にしなければいけない。私は弱いから、霊力も高いわけではない。そんなちっぽけな存在が、たくさんの人を守れるわけがない。


主と云って慕ってくれる彼らと、私はずっと暮らしていたい。


これは私なりの考えだ。間違いだと唱える人もいるだろう。それでもいい。
 私には私だけの世界がある。他の人たちなんて気にしていられるか。


初めて審神者になったとき、加州と今剣とどう接していいのか迷っていた。彼らも同じだったと思う。


私たちが仲良くなれたきっかけはなんだったっけ。


「あるじさま、かえりましょう」


日は暮れていた。探している三人は見つからない。


永遠に見つからなくて、永遠に本丸に戻れなくなったらどうしよう。大好きで、守りたい日常に帰れなくなったら何を生き甲斐にすればいいんだろうか。


「未だ見つからないな。大丈夫だろうか」


「君は心配性だなぁ。あの三人は強い。きっと無事さ」


雨が降っている中でも一生懸命探した。それでも見つからない。もう何日目だろうか。


時間が長く感じられる。早く見つけないと。焦りを感じた。


「主、風邪引くぞ?」


鶴丸さんが傘を差し出してくれた。


「……今日は帰りましょうか」

二十五→←二十三



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (237 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
582人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

織川(プロフ) - カティさん» ありがとうございます!続編でもぜひぜひよろしくお願いします……! (2018年3月25日 14時) (レス) id: f371f8209b (このIDを非表示/違反報告)
カティ(プロフ) - 続編おめでとうございます!とても面白い作品ですね(*^^*)尊敬します! (2018年3月24日 9時) (レス) id: 0319e8dbc2 (このIDを非表示/違反報告)
織川(プロフ) - 花凪@南アルプス天然水さん» ありがとうございます……!! (2018年3月21日 14時) (レス) id: f371f8209b (このIDを非表示/違反報告)
花凪@南アルプス天然水(プロフ) - はい神作。うん。 (2018年3月19日 10時) (レス) id: 883e9e7f0a (このIDを非表示/違反報告)
織川(プロフ) - サッピーさん» ありがとうございます……! いつもこんな感じでいいのかな、と不安だったのですがサッピー様のコメントで不安吹き飛びました! 更新がんばります! (2018年3月5日 16時) (レス) id: f371f8209b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:織川 | 作成日時:2018年2月25日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。