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「中島敦です。えーと、お二人の名前は……?」


敦は鶴丸が探している内の三人を見つけ、探偵社に連れ帰って話を聞くことにした。然し、話は全く進まない。


「名前か。主に名乗るなと云われている」


「俺はもう名乗ったぞ」


「だめじゃないですか! あとであるじさまにおこられますからね」


何故か名前を教えてもらえない。二人は頑なに「主に名乗るなと云われた」と云って譲らなかった。


「主って、先刻寝てた女性ですか?」


ちらりと医務室を見やる。今、寝台で寝ている彼女に「主」という雰囲気は感じられなかった。


「あるじさまはあるじさまです! つよいんですよ! ごきぶりだってたおせます」


「……はぁ」


少し面倒くさい人が二人増えた。敦は困ったように笑い、谷崎を見た。谷崎は黙って首を横に振る。次に先刻帰ってきた太宰を見た。


「敦君、一寸来てくれ」


漸く解放される。敦は太宰の元に行き、なんでしょうかと問いた。


「あの青い狩衣。あの服はね、平安時代の人が着てた服なんだ。一人じゃ着られないから他の人の手を借りる必要があるんだけれど」


「平安時代……!?」


何故着ているのだろうか。そんな疑問が浮かぶが太宰は「次に」と細い指を一本立てた。


「あの三人かなり美形だよね。私には及ばないけれど」


太宰よりは善いかどうかは置いといて、それは敦も同意だった。三人とも容姿端麗。特に青い狩衣の男性には惹きつけられる。


「……まるで、この世の人じゃないみたいですね」


「そうでしょう? でね、今、巷を騒がせている事件と彼の三人は関係があると思うのだよ」


だから、と太宰は付け加える。


「彼の三人の監視、お願いね。勿論医務室で寝ているお嬢さんも」

十一→←九



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織川(プロフ) - カティさん» ありがとうございます!続編でもぜひぜひよろしくお願いします……! (2018年3月25日 14時) (レス) id: f371f8209b (このIDを非表示/違反報告)
カティ(プロフ) - 続編おめでとうございます!とても面白い作品ですね(*^^*)尊敬します! (2018年3月24日 9時) (レス) id: 0319e8dbc2 (このIDを非表示/違反報告)
織川(プロフ) - 花凪@南アルプス天然水さん» ありがとうございます……!! (2018年3月21日 14時) (レス) id: f371f8209b (このIDを非表示/違反報告)
花凪@南アルプス天然水(プロフ) - はい神作。うん。 (2018年3月19日 10時) (レス) id: 883e9e7f0a (このIDを非表示/違反報告)
織川(プロフ) - サッピーさん» ありがとうございます……! いつもこんな感じでいいのかな、と不安だったのですがサッピー様のコメントで不安吹き飛びました! 更新がんばります! (2018年3月5日 16時) (レス) id: f371f8209b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:織川 | 作成日時:2018年2月25日 11時

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