九 ページ11
.
黒外套の男から逃げて数時間。夜も明けてきたところでいきなり睡魔に襲われてAは今剣にもたれて寝てしまった。
「あるじさま？ 大丈夫ですか？」
「ほぼ一日中歩き回っていたんだろう？ 疲れるのも無理はない」
今剣と三日月が呼びかけても起きる気配はない。このままでは目立つからと場所を変えて喫茶店に移動した。
現代の文化や常識をあまり知らない二人はなんとなくで店に入り、店員に促されるまま席に着く。
「その子大丈夫かい？ 具合でも悪いんじゃあ……」
寡黙な店長らしき人物と明るい女性。そして其の女性よりも若い店員。この店員はちらりと二人を見ると直ぐに顔を逸らしてしまった。
「一日中歩き回ったせいで倒れてしまってな。此処についてはあまり知らないため如何すればいいのかわからぬ」
三日月が困ったように微笑むと直ぐにAは座席に寝転がされて毛布をかけられた。いいのいいのと人の良さそうな笑みを向けられ、今剣はつられて微笑む。
「サービスしとくよ。ほら、コーヒー。お代は要らないからさ」
「こーひー……？」
今剣には橙色の液体が入ったコップが、三日月にはこーひーと呼ばれた液体が入ったカップが渡される。前に主が飲んでいたような、そう思いつつ飲もうとすると誰かが喫茶店に入ってきた。
一人は前髪が個性的な少年。そしてもう一人は全身真っ白の青年。
「あ」
「……ほう、縁とは面白いものだな」
真っ白な青年もとい鶴丸は三日月たちを指差して「探してた人ってこの二人……って主もいるのか！ 一気に三人見つけるとはラッキーだな！」と騒ぎ出した。連れの少年はそれを聞いて三日月たちを凝視する。
口元を袖で隠し、上品に笑う三日月と「やっとあえました！」と喜ぶ今剣。
他の者は話についていけず、ただ苦笑しながらその様子を見ていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 582人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
【文スト】中原中也には色違いの双子の妹が居るらしい。別段彼女に不満は無いが、... 嫁が糞ガキ共(イケメン)に狙われてるんだけど、killしておk？【あんスタ×A3!】
空舞う花は桜色[2]【刀剣乱舞×文豪ストレイドッグス】もっと見る
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
織川(プロフ) - カティさん» ありがとうございます！続編でもぜひぜひよろしくお願いします……！ (2018年3月25日 14時) (
レス) id: f371f8209b (このIDを非表示/違反報告)
カティ(プロフ) - 続編おめでとうございます！とても面白い作品ですね(*^^*)尊敬します！ (2018年3月24日 9時) (レス) id: 0319e8dbc2 (このIDを非表示/違反報告)
織川(プロフ) - 花凪@南アルプス天然水さん» ありがとうございます……！！ (2018年3月21日 14時) (レス) id: f371f8209b (このIDを非表示/違反報告)
花凪@南アルプス天然水(プロフ) - はい神作。うん。 (2018年3月19日 10時) (レス) id: 883e9e7f0a (このIDを非表示/違反報告)
織川(プロフ) - サッピーさん» ありがとうございます……！ いつもこんな感じでいいのかな、と不安だったのですがサッピー様のコメントで不安吹き飛びました！ 更新がんばります！ (2018年3月5日 16時) (レス) id: f371f8209b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：織川 | 作成日時：2018年2月25日 11時
