七 ページ8
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尾崎幹部から侵蝕者の写真を幾つか頂き、自宅に帰って改めて其れを見つめた。
「嗚呼、矢っ張り……。全部侵蝕者じゃないの。こんなことって……」
侵蝕者が現れるのは本の中。更に詳しく云うと有碍書の中だけ。それが常識だ。
その常識がぶち壊された。侵蝕者は当たり前のようにヨコハマの街を徘徊している。私が任務後に見た変な生き物もきっと侵蝕者だろう。
「……連絡しないと」
館長に相談しなければ。私一人じゃ解決することはできない。
……相談した後は如何しよう。館長は文豪たちを寄越す心算だろうか。
ヨコハマで武器を使って戦う先生方を想像して冷や汗が流れた。そんなことをしたらポートマフィアが黙っちゃいない。徹底的に先生方のことを調べる筈だ。
「……大丈夫かな」
何かあったら徳田先生に任せよう。佐藤先生もきっと助けてくれる。
○●○●○●
「嗚呼、彼処にいる女性綺麗だなあ。心中してくれたりは……」
窓から眼下に広がる街並みを眺めつつ、太宰は心中相手を探すのに没頭していた。
「しません。普通の人は心中とか望んだりしないんですよ?」
敦は大量の書類を抱えて国木田の執務机の上に置いた。その書類は今まで解決してきた事件の報告書である。
「太宰、今回の仕事はサボらせんぞ」
「わかってるよ国木田君。あ、賢治君。私にもお茶くれないかい?」
「人の話を聞け! 賢治、こいつに茶はいらん」
何時もの光景に探偵社員は動じない。寧ろ反応する暇も惜しい。今回、探偵社に依頼を寄せてきた人物はかなり有名な者であり、おまけに前金まで送ってきた。
金で動く探偵社ではないが、依頼内容は真っ当なものなので断る義理もない。
依頼の内容。それは「監視カメラに映った未知の生物の対処」だった。
未知の生物ではなく侵蝕者だが、生憎探偵社員の中でそれを知る者はいない。
「……未知の生き物、ねぇ」
乱歩がのんびりと欠伸をした。監視カメラの映像を見ると直ぐに興味を無くして駄菓子を食べ始める。それを咎める者はいなかった。
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あいねこ(プロフ) - 更新はこれで終わりなのですか?とても面白かったので再開して頂けたら嬉しいです! (2020年8月23日 11時) (レス) id: a4bed0c9af (このIDを非表示/違反報告)
織川(プロフ) - 涼花凛娘さん» コメントありがとうございます……!そのようなお言葉が頂けるとは……恐縮です。これからもがんばります! (2018年3月16日 14時) (レス) id: f371f8209b (このIDを非表示/違反報告)
涼花凛娘(プロフ) - とても面白かったです!文ストと文アルのクロスオーバーは最近増えていますが、どの作品とも似ていない…といいますか。とにかく素晴らしいです!此れからも頑張ってくださいね! (2018年3月15日 19時) (レス) id: ff189753ce (このIDを非表示/違反報告)
織川(プロフ) - 巫子さん» ありがとうございます! 文アルと文ストのクロスオーバーを書くにあたって絶対会わせたかった二人なので私も書けて楽しいです! 更新がんばります! (2018年3月14日 20時) (レス) id: f371f8209b (このIDを非表示/違反報告)
巫子(プロフ) - 太宰さんとオダサク!!これからの展開が楽しみです!更新待ってます。 (2018年3月13日 22時) (レス) id: c9541627c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:織川 | 作成日時:2018年2月25日 17時