59話 ページ10
ふと目が覚めると隣にすやすやと眠っている坂田さん。
カーテンの隙間から見える外の景色はもう既に暗くなっていたので、時計を確認すれば、時刻は18:00。
さすがにもう起きないといけないと思い、隣で眠っている坂田さんを起こす。
「坂田さん、もう起きなきゃ、夜眠れなくなっちゃうよ」
「…んー…おきる…」
目をごしごしと擦ってふぁぁと欠伸をする彼。
「よく寝たぁ」
「うん、そうだね、私も少し落ち着いた」
「顔色よくなってるね、ほんとによかった。」
そう言うと頭を優しく撫でてくれる。
少し嬉しくて、猫のように頭を彼の手の平に擦り付けると彼はこんなことを言う。
「こんな幸せな時間があると思ってなかった」
そのひとことに重みを感じて、坂田さんのひとことの中に秘めた言いたかったことがわかった気がして、私の喉の奥がきゅっと少し苦しくなった。
「せや、Aちゃん、僕、言わなあかんことがある」
そう言った坂田さんは今さっきまでの瞳とは打って変わって真剣だった。
「とりあえずリビング行こう?ちゃんと聞きたい。」
「うん、せやね」
そして2人で並んでソファに座って話を始める。
「Aちゃんには前の飼い主さんの事しか言うてないよね?」
「うん、そうだね」
「じゃあ、その前のこと、全部お話するね」
少し座り直して坂田さんは過去のことを話し始めた。
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織姫(プロフ) - スイさん» ありがとうございます!こちらこそ読んでいただきありがとうございました! (2020年3月31日 10時) (レス) id: f7e683a78b (このIDを非表示/違反報告)
スイ(プロフ) - 完結おめでとうございます。最後までとても素敵なお話でした! (2020年3月30日 23時) (レス) id: a62436f372 (このIDを非表示/違反報告)
織姫(プロフ) - ちょこさん» ありがとうございます(^^)これからも頑張って書きます (2020年1月25日 12時) (レス) id: f7e683a78b (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - この作品好きです!続き楽しみに待ってます! (2020年1月23日 21時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
織姫(プロフ) - すとぷり好きの坂田家さん» ありがとうございます。これからもゆっくりですが更新頑張りたいと思います (2019年9月16日 9時) (レス) id: f7e683a78b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:織姫 | 作成日時:2019年9月3日 17時