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56話 ページ7

その後はセンラさんに買ってきてもらった昼食を食べ終えて、仕事をするつもりだったが、センラさんに早退させられた。

『Aさん、ただでさえ体弱いのに、それ以上無理したら倒れるどころの話じゃなくなってしまうから今日は早退しぃ。部長には僕が伝えておくから』
「はい…」

何も考えずに歩いて帰った。
いつもならば電車などを経由して帰るはずなのにしばらく歩いていたらいつの間にか家の前に着いていて本当に何も考えていなかったのだろうと思う。

がちゃと音を立てて、扉を開けると玄関に座り込んで待っていた坂田さんが居た。

『Aちゃん、おかえり』
「ただいま」

一晩、別に過ごしただけなのになんだかすごく寂しく思えて、坂田さんが立つと、私の手が知らぬ間にすっと坂田さんの体に伸びていた。
気づけば坂田さんの胸の中にぽすっと埋まっていて、ぎゅっと彼の体に身を寄せると彼の少し早い胸の鼓動がとくとくと聞こえて、心地良い。

『Aちゃん、お疲れ様』

ぽんぽんと頭を優しく叩き、そう言ってくれる彼。

『センラから聞いたよ、全部。』

多分、今日のことだろう。

『Aちゃん、辛かったやろ、迷惑掛けたくなくて頑張ってたんよね、Aちゃんは偉いなあ』

その言葉を聞くとぶわっと涙が出てきて、坂田さんの胸の部分を濡らしていく。

誰かに言って欲しかった。
私に浴びせられる言葉は罵倒の言葉がほぼほぼだった。
だからこそ、こうやって寄り添ってくれる人が欲しかった。

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織姫(プロフ) - スイさん» ありがとうございます!こちらこそ読んでいただきありがとうございました! (2020年3月31日 10時) (レス) id: f7e683a78b (このIDを非表示/違反報告)
スイ(プロフ) - 完結おめでとうございます。最後までとても素敵なお話でした! (2020年3月30日 23時) (レス) id: a62436f372 (このIDを非表示/違反報告)
織姫(プロフ) - ちょこさん» ありがとうございます(^^)これからも頑張って書きます (2020年1月25日 12時) (レス) id: f7e683a78b (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - この作品好きです!続き楽しみに待ってます! (2020年1月23日 21時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
織姫(プロフ) - すとぷり好きの坂田家さん» ありがとうございます。これからもゆっくりですが更新頑張りたいと思います (2019年9月16日 9時) (レス) id: f7e683a78b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:織姫 | 作成日時:2019年9月3日 17時

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