47. 奪われるもの ページ8
――人生とは残酷だ。
奪うものと奪われるもの。
その格差はそう簡単に覆ることがないのだから。
「東さん、私にも良心の呵責というものがあるのですよ。」
眼前には麻雀卓を囲み、優しく微笑む東さん。
……と、その彼に搾取される"奪われる者"が2名。
諏訪洸太郎と冬島慎次だ。
冬島さんは普段は強いらしいが、年下の女子に弱いらしい。
本日３戦目に入ったその勝負は、四人対戦とは名ばかりに私と東さんの一騎打ちとなっていた。
いかに自分が優勢の間にあの二人を飛ばせるか――。
「タッグマッチにしねーと勝負になんねーぞ、これ……。」
強すぎる二人を前に、点を吐き出す装置と化した諏訪と冬島は心が折れかけていた。
タッグマッチにしたところで、折紙と東がお荷物陣営の点数まで操作する別ゲーとなるだけである。
そしてそれは東も同じ意見なようだ。
「まあ、このまま続けても面白くないのは事実だな。」
「……それなら、ランク戦しましょうよ。」
解散の流れに持っていかれる前に、強引に先手を打つ。
スナイパーとのランク戦は佐鳥としかやったことがない。
元より人数が少ないことと、援護に特化したポジションであることが重なりそうそうランク戦を受けてくれる人はいない。
東さんとのコネクションができた時点で、いつかはこの流れに持っていくつもりで居た。
「このメンバーじゃ流石にAちゃんが有利なんじゃないか？」
冬島さんの意見に、それもそうかと周りを見回した。
個人戦に向かないスナイパー、そもそも戦闘しないトラッパー、失礼ながら格下でいらっしゃる諏訪さん……。
誰と戦っても攻撃手4位の私が有利なのは確かだ。
しかし、東はそれを否定した。
「そんな事ないだろ、対等くらいだと思うぞ。
――3対1なら。」
ただですら捜索困難な東さんにトラッパーの瞬間移動が加わる……？
同格か少し上程度ならともなく、実力差の明らかな相手との戦闘はお断りだ。
その二人が組むのならハンデをもらわなければ。
「……諏訪さん倒したら勝ちってルールなら。」
冬島と東は顔を見合わせ、首を振る。
「お前、俺を戦力として見てねぇだろ……。」
あの二人の援護能力で首を振らせる諏訪さんは普通にすごいと思う。
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origamisakura(プロフ) - ばぐさん» 連日ワートリの関連ランキングに載っていらっしゃる作者様に見て貰えているとは恐縮です！綺麗な文章だなんてとんでもない。お褒めいただいて嬉しいです。コメントありがとうございます！ (2020年12月9日 0時) (
レス) id: 6da1c3afc2 (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - コメント失礼します。とても綺麗な文章と素敵な展開に感動しました。更新楽しみにしています。頑張ってください！ (2020年12月8日 19時) (レス) id: a81a0b3a5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：*佐倉照* | 作成日時：2020年12月3日 7時
