79. 3秒後の決着 ページ42
背後から飛び交う射手用トリガーを避けながら弧月を振るう。
私の髪や足に掠りながら迫るバイパーに、回避もできずに受けようとする加古さん。
しかし、弧月とスコーピオンの強度の差は明らか、ついに砕けた武器と利き腕を失わせることが出来た。
「意外とできるもんだね。」
出水が打った弾を私が避けながら攻撃するという新戦法を編み出した私たちは、徐々に優勢に立っていた。
「ったく、どうやって避けてんだよお前は。撃つ方が怖ぇーんだけど。」
二宮さんと出水の二人分の光線が入り乱れる中、臆することなく近接戦闘に持ち込む。
出水の攻撃パターンは知り尽くしているのでそんなに難しいことでもないのだが、対戦する二人と出水は何か変な物でも見るような目だ。
――ドゴーン。
太刀川さんがビルを切り倒す音が響いてくる。
どうやら彼は狙撃ポイントを潰すつもりらしい。
射線が通ることも気にせずに、建物を斬り倒していく様はゴジラも吃驚の大暴れである。
私なら絶対に支持しない作戦に、東さんも目を回しているころだ。
東さんはとりあえず回避に専念しているはず、そして逃走モードの東さんを太刀川さんは見つけられない。
焦れた太刀川さんの行動は限られている。
「3秒だけ二宮さんを抑えて。
私が加古さんを落としたのが見えたら、できるだけ早く後ろに引くこと。いい？」
負傷した加古を先に落とすのは
「よくわかんねーけど、了解！ ハウンド！！」
無理矢理に自分を納得させた出水は、フルアタックを開始した。
視線誘導で囲われる二宮が、左手でガード右手で反撃を選択するのを市価の端で捉える。
「エスクード。」
加古と二宮を分断するように発生させたシールドトリガーは目くらましだ。
その盾の奥で利き腕を失った加古が攻撃手第3位と対面しているのを知っていながら、二宮は姿の見えない見方を援護することが出来ない。
一切の無駄を省き、敵へ迫った折紙が受け太刀を
――ザシュッ……！
彼女の指示から丁度3秒、加古の長い髪とともに頭と体は切り離される。
「バイパー！」
その姿を確認した出水は、指示通りに後ろへ飛んだ。
その時、革新の一撃が捻じ込まれる。
(これを待ってたのか……！)
牽制で放ったバイパーは意味を為さないのだ、と出水は痛感するのだった。
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origamisakura(プロフ) - ばぐさん» 連日ワートリの関連ランキングに載っていらっしゃる作者様に見て貰えているとは恐縮です！綺麗な文章だなんてとんでもない。お褒めいただいて嬉しいです。コメントありがとうございます！ (2020年12月9日 0時) (
レス) id: 6da1c3afc2 (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - コメント失礼します。とても綺麗な文章と素敵な展開に感動しました。更新楽しみにしています。頑張ってください！ (2020年12月8日 19時) (レス) id: a81a0b3a5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：*佐倉照* | 作成日時：2020年12月3日 7時
