教えて、七海先生！ (ページ39)

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教えて、七海先生！ページ39

「だってよ、A！｣
『へっ!?』
思わず、ドアに頭をぶつけた。
ゴツンと大きな音が鳴る。
…もう、隠せないな…。
そう思って私は静かにドアを開けた。
『あ、どうも…』
めっっちゃ気まずい。
固まる七海先生。
たぶん笑ってる先生。
…どうしよう。
私が困ってその場にいると、七海先生は溜息をついた。
｢貴方の仕業ですよね？五条さん｣
｢あれ、バレたー？｣
｢バレますよ｣
あははー、と反省っ気ゼロで先生は笑っている。
この人の脳内辞書には｢反省｣がないんだな。
そんなことを考えていると、咳払いが聞こえた。
振り向くと、いつもより更に真面目な顔をした七海先生の姿が。
私は思わず、その目を見つめる。
｢えっと…Aさん。その…｣
｢固いなー、七海。呼び捨てで呼びなよ｣
五条先生は相変わらず突っ込んでくる。
…というか、呼び捨て？心臓が無理ですよ？
そんなことを考えていると、先生は少し顔を俯かせた。
え、ちょ、本気にしないで…！
｢……A｣
やば。
好きな人に名前呼ばれるって、こんな感じなんだ…。
｢私は、貴女のことが好きです｣
『はい』
｢ですが、教師と生徒である以上、そういう関係にはなれません｣
…そうですよね。
私と七海先生は生徒と教員という関係で、それに変わりはない。
だから、この関係も終わってしまうのかもしれない。
私は顔を俯かせた。
｢なので…私が教員でなくなったら……私と、付き合ってくれませんか？｣
思わず顔を上げた。
そんな言葉が返ってくるなんて、想像もしてなかったから。
率直に嬉しかった。
先生がそんなに考えてくれるなら。
いや、その前から答えは決まっていたけど。
私は、私に出来る最高の笑顔でこう答えた。
『もっちろんです！』

次回、最終回です。