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教えて、七海先生! ページ38

そして、放課後になった。
五条先生の言ったことの意味がよくわからなくて、授業に集中出来なかった。
時々、七海先生に「大丈夫ですか?」と言われてしまう程だ。やっちゃった。
五条先生に言われた通り、ドアの前に立とうとした。
けれど、教室の中には五条先生と七海先生。
…ん?
反射的に私はドアの前に座る。
ドアをよく見ると、隙間が少し空いている。
プライバシーの問題とか大丈夫なんか…と突っ込むのはもうやめた。
そこから、大体2人のの話の内容は聞こえてきた。
「七海〜、最近Aとはどう?」
五条先生がそう聞くと、ペンが落ちる音がした。
「特に何もありません」
特になんとも…なかったっけ?
中からは七海先生が慌ててペンを拾おうとしてる音が聞こえる。
「ペン、拾えてないよ」
「…たまたまです」
ん?七海先生でもそんなことあるの?
なんでそんなに動揺してるんだ?…あ、五条先生に聞かれてるからか。(失礼)
「動揺し過ぎだから。嘘下手だな〜」
「…動揺してないです」
七海先生が動揺?まじか、今すぐ見てみたい。
「Aさ、悠仁の告白受けたらしいよ」
五条先生が突然そんなことを言う。
受けてないんだが?先生はっきり嘘ついたで。
「…そうですか」
けれど、七海先生は至って普通という感じだった。
…やっぱり、私に興味ないんだ。
「今日もさ〜、僕見ちゃったんだけど、休み時間で2人きりの時に勉強教えあってたよ。ちょー至近距離で」
まあ、それはあったか…。ってそんな距離感近かったっけ?
先生の言葉の後、七海先生は黙ったままだった。
耳に痛い沈黙が、何秒か続いたあと、七海先生の声は低く響いた。
「…私が、Aさんを好きなことをお忘れですか?」
…ん?
えええええええええええええええええええええええ!
先生が?私のことを好き?
やば、想像しただけで顔熱くなってきた。
「いや、覚えてるよ」
五条先生知ってたんかーい!
だったら教えてくれたってええやん。
「なら、そういうのやめていただけませんか?」
「なんで?」
先生は食い気味で聞いている。
小さく溜息が聞こえたあと、私の耳には確かにこう聞こえた。
「…嫉妬するから、です」
嫉妬…嫉妬…。
先生が私に嫉妬…やばい。想定外のことが起こりすぎて頭が追いつかない。もはや喜ぶ元気も気力もない。
「へぇー、七海も嫉妬するんだ……」

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作者名:紗由紀 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/sayukinopurofu/  
作成日時:2022年4月29日 21時

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