教えて、七海先生! ページ32
目を開けた。
視界には、白い天井。
病院みたいだな、なんて思いながら私は死んだということを思い出す。
…そっかぁ。死んじゃっただもんね、私。
死んだらお花畑に行くと思ってたけど、そうでもないみたい。
「おはようございます」
『…!?』
あれ、今七海先生の声聞こえましたよね…?キノセイカナ?
隣を見ると、そこにはやっぱり七海先生が。
…あれ、私の身体ある。
心配になって、胸に手を当てる。
心臓は、音を立てて命を燃やしていた。
生きてる。
生きられたんだ、私。
「3日も寝込んでいたので心配しました」
『み、3日も!?』
「1級相手に無理するからですよ。…全く、心配させないでください」
『…すいませんでした』
本当に正論だ。3級の呪霊を倒したら帰る任務だったんだから。
ああ、またやってくれたよ私。七海先生に呆れられちゃうって。
私が俯いていると、頭を触られた感覚がした。
顔を上げると、そこには優しい顔をした七海先生がいた。
七海先生は、頭を撫でてくれていた。
「よく生きて帰ってきましたね。貴女は十分頑張りましたよ」
『っ、…先生っ…!』
その言葉を聞いただけで、私の目から涙が溢れた。
私が涙をぽろぽろ流すと、先生は背中をそっと摩ってくれた。
その手の体温が、温かくて、やっぱり優しかった。
あの時かけてくれた、優しい声みたいに。
命を感じた胸は、きゅうっと縮んだ。
…ドキドキ、した。
ああ、認めたくないんだけどな、気づいちゃったからな。
認めるしかない、野薔薇には否定しちゃったけど。
私は、七海先生が好きだ。
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作者名:紗由紀 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/sayukinopurofu/
作成日時:2022年4月29日 21時