美しい雨上がり ページ2
今の天気はちょっぴり憂鬱。
なんとなく、本当になんとなく。
今日はバーへ行こう、と思った。
まさかそこであんな出会いが出来るなんて。
白いシャツに金のカフス。
そこから伸びる美しい手。
まさに今、私は一目惚れというものをした。
『二度と会えないかもしれない』
踊り出す鼓動に身を任せ、彼の元へと向かった。
「お隣よろしいですか?」
?「…もちろん。おや、とても綺麗なお嬢さん。こんばんは。」
「こんばんは。」
?「今夜は素敵な夜になりそうだ。お名前をお聞きしても?」
なんてことだ。見た目だけでなく性格までもが素敵だとは。
「Aです。あなたは?」
「オースティンです。」
オースティンさん…彼の名前を忘れないよう何度も脳内で繰り返す。
「綺麗なお名前ですね。」
そうぽつりと呟いて彼を覗き込む。
お酒を飲んでいる彼は嬉しそうに微笑んでいた。
それから、2人で様々なことを話した。
連絡先を交換する勇気はなくって一夜限りのお話会になってしまったが不思議と後悔はしていない。
いいんだ。恋人でなくとも。そんな気持ちになれた夜だった。
お店を出ると空は澄み、美しい満月がこちらを見て微笑んでいた。
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作者名:ぼく | 作成日時:2020年3月15日 13時