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16粒。 ページ16

「ね、世界の裏ってどうなってると思う?」

少女は問う。少年は眉を寄せて、知らねぇな、と言った。

「誰も知らないんだよ」

「じゃあ何で聞いたんだよ」

「知りたかったんだ」

は?と少年は少女をじっと見た。

「誰も知らないって、誰も知らないじゃない?」

もしかしたら、君は知ってるかもしれなかったし、と付け足した。

「気になるよね、行ってみたいよね、見てみたいよね」

こちらを見る彼女の瞳には、

全く光が無かった。

「さ、」

キーホルダーを握りしめた。

「帰ろうか、送ってくよ」

少年はイラッとした。
自分にだって出来る。
わざわざ、少女の手を借りてなんかいられない。

「帰れる」

少女は少年を睨み付けた。

少年は寒気でいっぱいになった。

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作者名:しぐれ。 | 作成日時:2018年10月16日 19時

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