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11粒。 ページ11
「最近気付いたんだ。君がそんなに私を追い出そうとした理由…人柱として殺されるんだよね」
「…」
少年は涙を堪えて笑いかけた。
「仕方ないよなぁ…俺ら、そういうことだったんだよ」
太陽が二人を照らした。
…嘲笑うかの如く。
「わたし…君が生きるなら死んでも良いよ、君は、君だけは生きて」
必死に笑って少年を見た。
「何でそうなるんだよ」
拳を握りしめて、力強く言った。
「出ていけば良いだろ。死ななくて済むぜ…出ていけよ」
「行ったって居場所なんて無くて、結局死ぬんだから、君と死んだほうが良いよ。それ、に…私、君のお母さんと知り合いなんだ。だから…同じ場所で死にたいよ」
「知り合い…?」
「私、孤児院に居たから」
力無く呟いて、空を見上げた。
眩しくて、目を瞑った。
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作者名:しぐれ。 | 作成日時:2018年10月16日 19時