雑音ノイズ (ページ1)

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1粒。ページ1

「あっ、」

少女は気付いた。

ポツリ…。
雨が降って…

今は生憎、傘は持っていない。

だけれど、少女はいつもの場所に歩んだのだった。

周囲の声が少女の心を突き刺す。
「傘を持っていない」「やめとけ、関わるな」

それでも、少女は進んだのだった。

「いつもの」場所に。

ベンチに腰掛けると、誰も居なくなった街を、ただ１人見つめていた。

「馬鹿じゃねぇの、お前」

その声に少女は顔をあげた。

「来ると思ってたよ。」

そう言って微笑むと、少年はため息をついたのだった。
濡れた髪を、少女は優しくなぞった。

「雨、」

少年は手のひらをつきだした。
冷たい何かが、少年の手のひらに突進していく。

「お前、馬鹿だろ」

「さっきも聞いたよ」

少女は目を瞑ったまま、そう答えた。
少年はその横顔をただ見つめていた。

「A、」

…まただ。

また、雨音が雑音となった。