煽り ページ15
【チョロ松side】
「痛っ!」
「…………」
静電気?なんか凄く痛かったし
「……なるほど、彼の方の守りか」
「えっ?何か…」
「あぁ…別に。大丈夫だよ?」
「はぁ…」
「じゃ行こうか?こっちだよ」
ニコリと笑う東郷さんが今度は僕には触れずに家まで案内してくれた
「少し遠いのに歩かせてゴメンね?帰りは車で送ってあげるよ」
「いや、そこまでは…大丈夫です」
車に乗り帰ったらアイツら煩く詮索しそうだし、歩いても20分位なら僕らには歩くの当たり前だし…なんて考えて、ふとさっきの場面がよみがえる
「……どうしたの?」
「あ、別に…」
「そんな顔してて?説得力ないよ?」
僕の表情で何か察したのか優しく笑いかけた東郷さんにさっきまでの変な警戒心が薄れる
「着いたよ?」
一軍様なのかな?結構お高めの綺麗なマンションで部屋に通された後もついついキョロキョロ見渡してしまいその後緊張し固まる僕を東郷さんは苦笑いしている
「どうしたんだい?取り敢えずコーヒーで良いかな?」
「あ、はい」
今流行りなのかな?オープンキッチンでこちら側のカウンターにケーキを出し
「ちょうど貰い物あって良かったよ…悪いけどそっちに持っていってくれないかな?」
「あ、はい」
その後コーヒーを持って東郷さんが戻る
「さて…と」
「……」
「鑑賞会後にするとして…どうしたの?」
普通なら初対面の相手に話すなんてしないのに何故か僕はさっき見た光景を話してしまう
話ながら気付くと涙が出ていて…思わず恥ずかしくて乱暴に袖で拭いコーヒーを飲む
「そうか…仲間外れはダメだよね?」
「えっ?」
ダメってほどではないけど
僕を覗き込みながら更に詰め寄るように
「だって一人だけ除け者なんでしょ?意外に今までもそんな事あったかもしれない…君が知らないだけで」
「!?」
「可哀想だね」
そう言いながらもニタリと笑う
な……ん、だろ
頭の中に警鐘が鳴り響く
「これ以上聞いてはいけない」と
少し頭がグラグラしてくる
気持ち悪い感情に支配される
「兄弟だけじゃなく恋人でもあるのに…それとも恋人よりも他の兄弟の方が大切なのかな?」
「……あ……」
ショックでまた涙が溢れる…けど僕、兄さんの事話したっけ…?
「眠いのかい?ショックが強いとそうなるよね?」
そう東郷さんは言いながら僕を抱えてベッドに寝かせる。いや、待って…変でしょ?なのにゆるゆると瞼が重くなりついに抗えずに意識を手放した
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抹茶 - 続きは無いのですか?とってもこのストーリー好きなので… (2020年11月5日 22時) (レス) id: 5aab78de35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:常磐 | 作成日時:2018年1月20日 2時