転校生は女の子でした４ (ページ38)

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～横尾side～

寝床を決めるじゃんけん大会が始まって、死守したかったAのベッドは守れず２抜けでAの部屋で布団というなんとも微妙なポジションに決まってしまった。
Aの結果がどうなるのかドキドキしていたら、Aもこっちに来ることになってそこでやっと２抜けでよかったと思えた。

布団を抱えて部屋に入って来たAを見て思った。

やっぱ雑魚寝はかわいそうだな。

そう思って俺と寝床を交代しようと提案したけど、スパっと断られた。

『敗者は敗者だし、ちゃんと床で寝るから』

横「女の子なんだからもっと体大事にしないと。俺、雑魚寝好きだから」

『ふふふっ、雑魚寝が好きって初めて聞いたんだけど』

横「はいはい。じゃAが布団ね。はい。どうぞー」

『もう、いいってー。じゃんけんの意味ねぇってみっくんに怒られるよ』

横「大丈夫大丈夫」

大丈夫なんて笑顔で言ったけど、今のAの言い方に少し胸が苦しくなった。

そこで北山が出てくるんだな・・・

Aのことだから、意味なんてなく無意識なのかもしれない。
でもそれだけ北山のこと頼りにしてるんだなって、なんかひねくれた方向に捉えてしまう。

俺、超面倒くさいやつじゃん・・・！

ちょっとした自己嫌悪に陥ってたら、ニカがAに言った。

二「A！そんなに布団嫌ならベッド使っていいよ！」

もちろんニカのそんな提案もAは遠慮する。
AらしいといえばAらしい。
そのあと電気を消すとすぐに俺の隣から寝息が聞こえてきた。

仰向けで寝ているAをチラリと見ると、無防備な寝顔が見えた。
手が届きそうで届かない距離で眠るAを見ると、俺はなかなか寝れそうにないなーって思った。
そうしたらニカに声をかけられて少しヒソヒソ話が続いた。
途中でAが動いたから、起こしたかもしれないって思ってちょっと焦った。
でもそっとAの顔を覗き込むと、ただの寝返りだったみたい。

やっぱり布団使わせたいな。

Aの寝顔を見ていると、自然とそう思えてきた。
Aに近づき手を伸ばす。

二「え？！ちょ、なにしてんの？！」

横「しーっ！やっぱ雑魚寝じゃかわいそうだから布団に運ぶ」

騒ぐニカ。
A起きちゃうじゃん。