171 ページ21
〜千賀side〜
体育祭当日、仮装応援の始まる少し前。
二階堂と赤団のテントでストレッチしながら遊んでいたら、Aちゃんが笑顔でやってきた。
『せんちゃーん!』
二「あ、Aだ。久しぶりっ」
『いやいや、朝も会ってるから』
二「だってA、ずっと前にいるじゃん」
千「放送係なんだから仕方ないでしょ?Aちゃん今フリーなの?」
『フリーっていうか、せんちゃん迎えに来たの。もうすぐ仮装応援でしょ?』
千「・・・準備するには早くない?」
『だって、約束したし・・・ね?』
千「覚えてたのか・・・」
二「え、なに?約束ってなに?」
『んふふー、それはまだ秘密!ちょっとせんちゃん連れて行っていい?』
二「じゃ、俺も連れてってー!」
『だめ!にかちゃんはここにいて!』
恨めしそうな顔で手を振る二階堂を置いて、Aちゃんは俺を引っ張っていく。
あぁ・・・何も知らない周りの奴らはこの状況を羨ましく思ってるんだろうな・・・
ニコニコのAちゃんについて行った先には相馬さんがいた。
そして相馬さんの前にある机の上には化粧品一式とカツラ。
もう反抗するだけ無駄だと悟った俺は、そこからもうされるがままに・・・。
キャッキャ言いながら楽しそうに俺で遊ぶAちゃんと相馬さん。
支度が終わると今度は2人が写メを撮り出す。
『せんちゃん!似合うよ!かわいいっ』
相「千賀先輩、すみません。笑ってください!撮りますよー」
『あ、ちーちゃん待って!私も一緒に写りたいっ。せんちゃんいい?』
相「じゃぁ撮りますね。はい、ちーず!」
こうして、始まる前から半泣きになりながらの女装応援、あ、じゃなくて仮装応援は無事に終わった。
81人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:めいめみ | 作成日時:2017年1月11日 23時